ブログ エンジニアリング CI/CDとは?意味や導入のメリット・デメリット、ツールの選び方を解説
公開:March 3, 2025
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CI/CDとは?意味や導入のメリット・デメリット、ツールの選び方を解説

この記事では、CI/CDの概要や導入するメリット、CI/CDツールの選び方などを詳しく解説します。

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ソフトウェア開発においては、顧客に最大限の価値を提供するためにリリース後も繰り返し改善を行なっていくことが求められます。そのプロセスを効率化するために活用できるのが「CI/CD」です。

実際に開発の効率化のための手段のひとつとしてCI/CDの採用を検討している担当者もいるのではないでしょうか。この記事では、CI/CDの概要や導入するメリット、CI/CDツールの選び方などを詳しく解説します。

CI/CDとは?

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CI/CDとは、ソフトウェア開発におけるビルドやテスト、デプロイなど、従来であれば手作業で介入する必要があったプロセスを自動化して、素早くプロダクトをリリースする手法のことです。

「Continuous Integration」と「Continuous Delivery」の略称であり、日本語で直訳すると「継続的インテグレーション/継続的デリバリー」となります。

CIとCDの違い

では、CIとCDではどのような違いがあるのかそれぞれ意味を解説していきます。

CI (継続的インテグレーション)

CI (継続的インテグレーション)は、ソフトウェア開発において自動ビルドとテストを繰り返し実行することを示します。

複数の開発者が修正したソースコードを頻繁に統合して、不具合がないか確認するためのプロセスです。このプロセスを繰り返し自動的に実行することで、プログラムのバグを早期に発見・改善でき開発を効率よく進められます。

CD(継続的デリバリー)

CDとは、「継続的デリバリー」という言葉の通り、CIで検証されたソフトウェアを顧客に対して継続的に公開できる仕組みをつくることです。

CIのプロセスにおいて自動ビルドやテストが実行された後に、ステージング環境やテスト環境などに成果物をデプロイし、さらにセキュリティテストや負荷テストなどを実施します。

最終的な本番環境へのデプロイについては手動で承認する形で行い、ボタンをクリックするだけで反映することができます。

CD(継続的デプロイメント)

CDには、継続的デリバリーの他にも「継続的デプロイメント」の意味もあります。継続的デプロイメントとは、全てのソースコードの変更が自動的に本番環境に反映される仕組みのことです。

継続的デリバリーと継続的デプロイメントの違いは、手動で本番環境にリリースするか自動で行うかという点です。

CI/CDパイプラインとは?

CI/CDパイプラインとは、ソースコードの変更からテスト、本番環境へのデプロイまでの一連の流れを自動化したプロセスを指します。つまり、CIとCDの両者を組み合わせた仕組みのことです。

CI/CDパイプラインを構築することで、ソフトウェア開発における各工程の連携がスムーズになり、ビルドやテストの工数削減や迅速なリリースを実現できます。

CI/CDの導入が必要とされる背景とDevSecOps・アジャイル開発との関係性

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CI/CDの導入がなぜソフトウェア開発の現場で必要とされているのでしょうか。CI/CDとDevSecOps・アジャイル開発との関係性を踏まえながら解説します。

CI/CDが必要とされる背景

現代は「Society 5.0時代」と呼ばれており、IT技術の発展と進化に伴い多様なシステムを活用して社会を豊かにするという考え方が重要視されています。ビジネスの場においてもテクノロジーの急激な進化に伴い、多くのサービスが生まれる中で企業間での競争が激化しています。

そうした競争に打ち勝っていくためには、変化に柔軟かつ迅速に対応できる開発環境を構築しなければなりません。CI/CDなら一定の品質を維持したうえで開発プロセスを自動化でき、変化に対応しながら迅速にソフトウェアを顧客に届けることが可能です。

この品質とスピードの両方の課題を解決できるという強みが、ソフトウェア開発の領域においてCI/CDが注目されている理由だといえます。

DevSecOps・アジャイル開発との関係性

CI/CDは、DevSecOpsやアジャイル開発との相性が良い開発手法であり、これらの手法が主流となってきていることも注目される理由のひとつです。つまり、CI/CDはDevSecOpsとアジャイル開発を効果的に実現するための重要な要素として位置付けられています。

例えば、アジャイル開発ではスピード感を持って機能をリリースしていくことが求められます。しかし、リリースを頻繁に繰り返すというプロセスは、毎回テストの実施などにおいて
開発者の負担が増大してしまうことを意味します。また、DevSecOpsでいう「セキュリティのシフトレフト」という観点でも、コーディング直後にセキュリティスキャンを実施し、見つかったセキュリティ脆弱性を記憶が鮮明なうちに修正する、という先進的な取り組みにおいても、CI/CDは極めて重要な役割を担います。

CI/CDを導入すれば開発プロセスを自動化できるため、アジャイル開発の強みを活かしながらコスト削減と品質の維持、安全なソフトウェア・サービス開発を実現することが可能です。

CI/CD導入のメリット

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既に触れている内容でもありますが、改めてCI/CD導入のメリットについて把握しておきましょう。

  • 開発スピードを加速化できる
  • 生産性と品質の向上が期待できる
  • バグを早期に発見できる

開発スピードを加速化できる

CI/CDを導入することで、ソフトウェア開発からリリースまでの時間を短縮できます。

ソースコードを変更した後にはビルドやテスト、デプロイなどさまざまな工程を踏む必要があり、これらを全て手作業で行うとかなりの時間を要します。CI/CDなら手動での作業を自動化できるため、迅速に顧客のソフトウェアを提供することが可能です。

生産性と品質の向上が期待できる

CI/CDを導入すればテストからリリースまでの工程を自動化できるため、業務負担の削減につながります。これによって手動で作業していた分の時間をより重要なタスクに割くことが可能になり、生産性向上にも寄与するでしょう。

例えば、プロダクトの品質向上に向けた施策立案や、顧客ニーズや市場の変化を踏まえた仕様変更や機能追加などの重要な業務に注力できるようになります。

バグを早期に発見できる

CI/CD活用によってテスト工程が自動化されることから、頻繁にテストを実施できるようになります。先ほども触れたようにアジャイル開発の場合は頻繁にテストを繰り返す必要があるため、CI/CDの強みを活かすことでバグを早期に発見できます。

早い段階でバグを発見してその都度修正を実施すれば、機能全体に影響を及ぼすような大きな不具合の発生を未然に防止することも可能です。

また、スピードを意識するあまりテストの実施が抜けてしまったという重大なミスの防止にもつながるでしょう。

CI/CD導入における考慮点と成功への鍵

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CI/CDの導入を成功させるためには事前準備や継続的な改善を実施することが大切です。以下で詳しく解説します。

CI/CDパイプライン構築による開発基盤の強化を図る

CI/CDを活用するためには、CI/CDパイプラインを構築して開発基盤の強化を図る必要があります。

自動化の基準設定とテストコード作成を丁寧に行うことで、その後正しくCI/CDが機能し、ソフトウェア開発における長期的な品質向上の実現につながります。

継続的な実施と改善で価値の最大化を実現する

CI/CDの強みを最大限に活かすためには、アジャイル開発のように頻繁にテストとリリースを実施するような開発手法で活用することが大切です。ウォーターフォール開発の場合は、長期的な計画をベースとして開発が進められるため、CI/CDの使用頻度が少なく十分な効果を発揮できません。

また、CI/CDについては定期的な改善が必要です。例えば、ソフトウェアの変更によってテスト条件の修正を行う場合は、テストコードも書き直さなければなりません。「GitLab Duo」なら、CI/CDパイプラインの構築やメンテナンス、エラーの発見・分析を効率化できます。

CI/CDを導入する際のポイント

CI/CDをスムーズに導入する際には以下のようなポイントを押さえておきましょう。

  • 必要なリソースを確保する
  • メンバーに対する教育を行う

必要なリソースを確保する

CI/CDを導入する際には、予算や人材、工数の確保が求められます。自社の現状を把握してCI/CD導入にはどのくらいの予算が必要で、事前準備のためにどれだけの工数を必要とするのかを具体的に落とし込んでおくことが大切です。

なお、CI/CDパイプラインの構築においては、DevOpsエンジニアやSREと呼ばれる人材のアサインが必要です。

メンバーに対する教育を行う

CI/CDを導入して正しく運用していくためには、チームメンバー全体の理解が必要です。具体的には「自社でCI/CDを導入する目的や解決したい課題」「CI/CD関連でよく使用される用語」「CI/CDツールの使い方・運用ルール」などをメンバーに教育し、理解を深めてもらいます。

しかし、チームメンバーに教育するには時間とコストが多くかかってしまい、その期間は利益を生み出していないことを意味します。「GitLab Duo」なら、AIによりソフトウェア開発のワークフロー全体を効率化できるため、人材の採用や教育コストの削減にもつなげられます。

CI/CDツールの選び方

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CI/CDツールは以下の5つの観点を意識して選びましょう。

  • 機能
  • 提供形態
  • コスト
  • セキュリティ
  • サポート体制

機能

まずは、自社の開発プロジェクトに必要な機能が搭載されているか確認します。例えば、以下のような機能が搭載されたツールを選ぶと良いでしょう。

  • CI/CDパイプラインの構築やメンテナンス機能
  • APIやプラグインなどの連携機能
  • 優れた拡張機能 など

提供形態

CI/CDツールにおいては、クラウド型とオンプレミス型の提供形態があります。

クラウド型はインターネット接続を通して提供元のツールを利用する方法で、サーバーを自社で管理する必要がなく手軽に導入できることがメリットです。ただし、カスタマイズ性は劣ります。

一方、オンプレミス型は自社でサーバーを用意してツールを利用する方法です。オンプレミス型の場合は、カスタマイズ性が高く、インターネット上のセキュリティリスクが軽減できることから、特に機密性の高いデータを扱うビジネスや規制の強い業種にむいています。その反面、サーバー構築に手間がかかりますので、両者の特徴を把握したうえで自社にマッチした利用形態を選択しましょう。

GitLabでは、クラウド型とオンプレミス型の両方を提供しており、自社の置かれた状況に最適な構築が可能です

コスト

CI/CDツールを導入する際には当然コストが発生するため、自社の予算と照らし合わせながら利用に必要なコストを確認します。

その際、コストを抑えたいからといって自社に必要な機能が搭載されていないツールを導入しても効果は得られないため、機能面も考慮しながらチェックするのがポイントです。

また、いきなり開発環境を変えてしまうとリスクもあるため、まずは無料トライアルを受けられるツールを選定して使用感を確かめておきましょう。

セキュリティ

近年企業においてもさまざまなセキュリティインシデントが発生しています。ソフトウェア開発におけるセキュリティリスクを軽減するためには、CI/CDツールが持つセキュリティスキャン等の機能もチェックしておきましょう。

例えば、AI機能を搭載したツールならソースコードの脆弱性をより効率的に把握して修正できます。また、CI/CDツール製品そのものに、開発元からセキュリティパッチが迅速に提供されているかどうかもチェックしておきたいポイントです。

サポート体制

CI/CDツールの導入や運用においてトラブルが発生する場合もあります。その際ツール提供側でサポート体制が提供されていると、早期の問題解決につながります。

そのため、サポートプランの有無を確認し、窓口の対応時間や連絡方法をチェックしておきましょう。また、ユーザーコミュニティが活発化しているか、参考資料やドキュメントが充実しているかなども確認しておくと良いでしょう。

CI/CDツールなら「GitLab」

CI/CDツールをお探しならぜひ「GitLab」をご検討下さい。CI/CDの機能を確保する際には、別々のツールを管理してそれらを統合することで実現しているケースがよく見られます。しかし、この構築方法ではツールの選定や準備にも手間がかかり、効率が良いとはいえません。

AIを搭載したGitLabなら、単一の統合ツールとしてCI/CDパイプラインの効率化、セキュリティ対策、品質向上、運用コストの削減などを実現することができます。実際にさまざまな企業でGitLabが導入され、リリースサイクルの短縮に成功しています。

また、GitLabではクラウド型、オンプレミス型の両方を提供していますので、自社の環境に最適な方をお選びいただけます。60日間の無料トライアル版もご用意しているため、まずは使用感をお試しください。サポート体制参考ドキュメントも充実しているため、安心して運用いただけます。

CI/CDを導入して開発効率の向上を図ろう

ソフトウェアの開発においてCI/CDを導入することで、開発スピードや生産性向上などが期待できます。CI/CDを導入して自社のプロジェクトを成功させるためには、適切なCI/CDパイプライン構築と、継続的なメンテナンスを徹底する意識を持つことが大切です。

CI/CDツールの選定においては、ぜひ「GitLab」をご検討下さい。GitLabならCI/CDの実現に必要な機能が搭載されているため、スムーズな導入を実現できます。

GitLabによるCI/CDの事例はこちらからご覧下さい。

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監修:小松原 つかさ  @tkomatsubara
(GitLab合同会社 ソリューションアーキテクト本部 シニアパートナーソリューションアーキテクト)

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