Web IDEとは、クラウドベースで機能する、Webブラウザ上でソースのコミットまで行える高度なIDEです。では、IDEとは? Web IDEやIDEを知らなかった人にもわかりやすいように、その仕組みや概要を、ここで簡単に説明します。
目次
- IDE(統合開発環境)とは
- IDEの主な特徴
- IDEの仕組み
- IDEの種類
- IDEを使うメリット
- IDEの例
- Web IDEとは
- IDEのFAQ(よくある質問)
IDE(統合開発環境)とは
IDEはIntegrated Development Environmentの略で、日本語では「統合開発環境」と訳されます。IDEは、開発者がソフトウェアのコードを開発する際に必要なソフトウェアをひとつにまとめ、単一の画面で操作できるようにしたものです。
プログラミングには次のようなプログラムが必要になります。
- テキストエディタ:ソースコードを記述
- コンパイラー:ソースコードからオブジェクトコードを生成
- リンカー:ターゲットとなるCPU用に実行コードを生成
- デバッガー:作成したプログラムのバグ検出に使用
- コードのバージョン管理:ほとんどのIDEはシームレスにバージョン管理システムを統合
- 自動化ビルド:ビルドプロセスを自動化
IDEがなかった時代は、これら一つひとつを手作業で統合しなければなりませんでした。しかし、現在ではすべてがIDEツールに統合されているため、IDEをインストールするか、Web IDEにアクセスすれば、開発環境が瞬時に整います。ほとんどのIDEには、ソースコードを自動的に書いたり、編集したりするための機能が含まれています。そのため、コード開発を効率的に行うことが可能になります。
IDEの主な特徴
IDEはこれまで、パソコンにインストールして使用するものが主流でしたが、現在はWeb IDEなど、クラウドベースのものが増えてきています。GitLabのWeb IDEも、Webブラウザにアクセスできれば、簡単に開発ができるため、複数の開発者で開発環境を共有することが可能です。
統合開発環境(IDE)の特徴は、次のとおりです。
- 時間の節約:上述のように、各種プログラムがひとつのプラットフォーム上に統合されているため、ソフトウェア開発にかかる時間が短縮できます。
- チームでの開発の効率化:バージョン管理やソースコードの管理など、引き継ぎにかかる手間が省け、ミスが予防できます。
- ヒューマンエラーの防止:IDEのエディタには入力サポート機能があり、コンパイラにはシンタックスチェック、つまり構文の間違いチェック機能があります。こういった機能はヒューマンエラーを防止してくれます。
IDEの仕組み
IDEとは、ソフトウェアの開発で使用するさまざまなソフトウェアを支援ツールと合わせてまとめ、統合開発環境として使えるようにしたものです。
IDEの種類
IDEには、さまざまな種類があります。用途や目的、プログラミング言語、ターゲットとする OS や動作環境によって、選ぶポイントがあります。何を作るのか、どういうソフトウェアやアプリケーションを開発するのかによっても、最適 IDEは変わります。どのIDEを選ぶかによって、できることが異なるからです。しかし、異なるIDEで共通してできることは、次のようなものです。
- ソースファイルの構成管理
- ビルドの自動実行
- デバッグ
また、たとえば、プログラミング言語には Java、Swift、C++、C#、UnityやPythonなどがあるため、コードを書く言語に対応しているIDEを選ぶべきでしょう。IDEの種類としては:
- 多言語対応IDE
- モバイル開発用IDE
- WebまたはクラウドベースのIDE
- 単言語のIDE
などがあります。
また、IDEにはダウンロードして使うものと、クラウドで使用するもの、たとえばWeb IDEなどがあります。クラウドベースのものは、複数の開発者の間で開発環境が共有できるため、各々のチームメンバーの環境設定の違いは問題になりません。また、ビルドの際はCPUの速度低下により時間がかかるものですが、クラウドIDEでは速度低下は発生しません。ソースコード開発は、Gitなどと連携すれば、チーム間での共有も行えます。
IDEを使うメリット
IDE、統合開発環境を使うメリットは、一言で言うなら「開発の効率化」です。「IDEとは」で記述したように、IDEにはテキストエディタ、コンパイル、デバッグなどの機能がすべて統合されています。そのため、コード開発の効率化が図れます。
IDEを使うと、環境設定を行う手間が省けますが、逆に、IDEを使わないと、各種ツールを設定しなければならず、時間がかかります。また、IDEはインストール後すぐ使えるため、プログラミングの初心者にもお勧めできます。
IDEの例
IDE、統合開発環境にはたくさんの種類があります。現在よく使われているIDEのうち、例を 5 つ挙げます。
● Visual Studio/Visual Studio Code – Microsoftが開発。市場でとくに人気がある
● IntelliJ IDEA – JetBrains が開発した、多言語対応型IDE
● Vim - Bram Moolenaar氏が開発した軽量のテキストエディタでIDEとして使用可
● Eclipse – IBMが開発した、オープンソースのIDE
● Jupyter Notebook – Pythonの実行環境をもつ、ブラウザベースのIDE
Web IDEとは
Web IDEとは、前述のように、WebベースのIDEで、WebブラウザさえあればアクセスできるIDEを意味します。個々に IDE を利用するのではなく、利用者はみな、ブラウザを介してIDEにアクセスするため、各種設定のわずらわしさから解放されます。
GitLab Web IDEを使うメリット
GitLabには、クラウドベースの、オンラインWeb IDE(英語版)があります。Web IDEは、コミットのステージング機能を備えた高度なエディタです。Web IDEを使うと、GitLab UIから直接複数のファイルに変更を加えることができます。
- フレキシブルでカスタム化可能なインターフェース
- パネルは折りたたみ可能で、テーマもカスタム化可能
- コンテキストアクションとドラッグ&ドロップサポート
- 開いているファイル全部を一度に検索・置換
- GitLab UIから直接ブラウザで開けるため、クイックなコード修正などに便利
IDEのFAQ(よくある質問)
Q: IDE(統合開発環境)を使う理由は何ですか。
A: IDEはソフトウェア開発環境の一部を構成しています。よく設計されたIDEを使うと、ソフトウェア開発が大幅に効率化できます。
Q: IDEの3つの主要コンポーネントは何ですか。
A: コードエディタ、コンパイラ、デバッガーが三大コンポーネントです。
Q: IDEのインストール、設定方法は?
A: ニーズに合ったIDEを選び、最新バージョンを公式サイトから入手してインストールします。ほとんどのIDEで、各種設定は使用環境に合わせてカスタマイズ可能です。
GitLab Web IDEを使ってみる
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監修:知念 梨果 @rikachinen
(GitLab合同会社 カスタマーサクセス本部 カスタマーサクセスエンジニア)