更新日:2026年7月2日

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GitLab:エージェント型エンジニアリング時代のプラットフォーム

GitLab Transcendでの発表内容をデモ動画とともに紹介し、単一のプラットフォームがエンタープライズに必要な統制を保ちながらエージェント型の速度をどのように実現するかを解説します。

GitLab Transcendは、ロードマップや成功事例、業界調査を紹介するカスタマーイベントで、先日終了しました。ここでは、発表内容とデモの内容をご紹介します。

  • 次世代のソースコード管理:エージェントスケールの並行処理に対応するために再構築されたGitエンジンで、現在プライベートベータとして提供中
  • GitLab Orbit:ソフトウェアライフサイクル全体を対象とするコンテキストグラフで、現在パブリックベータとして提供中
  • セキュリティ向けエージェントとエージェントのためのガバナンス:すべてのエージェントアクションに対してID、ポリシー、監査、承認の仕組みを提供し、現在プライベートベータとして提供中
  • GitLab Duo Agent Platform:エージェントがIssueを引き受け、コードをレビューし、パイプラインを修正するオーケストレーションシステムで、開発者の作業フローを妨げることなく機能し、1月から一般提供を開始
  • GitLab Flex:AI導入の実態に合わせて柔軟に対応する購入モデルで、現在注文受付中

エージェントを使ったコード作成は、これまでにないほど簡単かつ高速になっています。1,500人以上の開発者や技術リーダーを対象とした調査では、91%の組織が2つ以上のAIコーディングツールを使用し、54%が3つ以上を使用していることがわかりました。お客様の中には、コードベースが1年で最大5倍に拡大したケースもあります。しかし、この速度を管理しなければ、混乱を招くことになります。

Transcendのすべての内容は、オンデマンドウェブキャストでご覧いただけます。

エージェント型コーディング:スピードと混乱

多くの組織にとって、イノベーションのスピードを上げるための答えはAIコーディングでした。しかし、断片化されたソフトウェアライフサイクルの上に構築されたコーディングエージェントは、エージェント型エンジニアリングとは言えず、非効率とリスクへの近道に過ぎません。

この課題は、お客様全体で繰り返し見られるパターンです。人間のペースを想定して構築されたインフラは、ソースコード管理におけるマシンスケールの並行処理に耐えられません。エージェントはコードに関するコンテキストは持っていても、ソフトウェア開発ライフサイクル(SDLC)全体は把握できていないため、大規模なモノレポでは処理が止まり、複数リポジトリではコンテキストウィンドウが満杯になった時点で処理を諦めてしまいます。コード、依存関係、デプロイメントの変化は、チームが管理できる速度を上回っています。さらに、固定契約では、予測が最も難しい時代であるにもかかわらず、1年先のシートとクレジットの数をチームが見積もらざるを得ません。

同じ調査では、この負荷も明らかになっています。73%がコードの保守に不安を感じており、SDLC全体で生産性の向上を実感しているのはわずか21%です。

だからといって、スピードを落とす理由にはなりません。むしろ、エージェント型コーディングのスピードを高いROIへとつなげる、エージェント型インフラストラクチャを構築すべき理由になります。

エージェント型コーディング + GitLabのエージェント型インフラストラクチャで実現するスピードと統制

GitLabは、すでにエンタープライズがソフトウェアを構築し、リリースするためのプラットフォームです。ソースコード管理(SCM)、CI/CD、ガバナンス、デプロイメントなどがすべて1つの場所に集約されており、現在5,000万人以上のユーザーと10万を超える組織にご利用いただいています。GitLabは、あらゆるソフトウェアチームと、コード、パイプライン、本番環境に関わるエージェントの経路上に位置しています。

このプラットフォームは、生きたシステムとして捉えることができます。作業を行うのが人間かエージェントかにかかわらず、同じように機能する4つの要素で構成されています。運動系は、エージェントスケールでの実行を担い、ソフトウェアの構築とリリースを支えるソースコード管理、パイプライン、デプロイメントを処理します。神経系は、すべてのエージェントと人間が適切な判断を下すためのコンテキストを提供します。免疫系は、すべてのアクションに対して能動的なガバナンスとセキュリティを組み込みます。

そして、オーケストレーションシステムがこの3つを連携させ、チームとそのエージェントがライフサイクル全体にわたって作業を計画・実行できるようにします。作業を担う「脳」が人間であれエージェント型であれ、この4つすべてを活用することになります。

GitLabのエージェント型インフラストラクチャの円グラフ

Transcendでは、これらのイノベーションと新しい購入プログラムを発表し、GitLab Duo Agent Platformによるインテリジェントオーケストレーションによって、これらがどのように連携するかを実演しました。

運動系:並行処理のために再構築された次世代SCM

ここで注目すべきプラットフォームの部分がSCMです。Gitのバックエンドは、エージェントの負荷に耐えられないためです。

Gitは、分散した労働力を前提に構築されています。リポジトリ全体をクローンして作業を行い、世界中の何百人もの人が並行して作業できるだけのブランチ機能とコードのマージ機能を備えています。しかし、チームメンバー1人ひとりが数百のエージェントを実行するようになると、このモデルは破綻し、次のような問題が生じます。

  • クローン税。 1つのファイルを読み取るためだけに、エージェントとリトライのたびにリポジトリ全体をクローンする必要があります。
  • 並行処理の崩壊。 数千のセッションが人間向けに設計されたバックエンドに一度に押し寄せ、ボトルネックと予測不能な可用性を引き起こします。
  • 分離の欠如。 エージェントがアカウントと1つのブランチ空間を共有するため、リポジトリが汚染され、作業をきれいに破棄する方法がなく、どのエージェントが何をしたのかという記録も残りません。

そのため、次世代SCMをプライベートベータとしてプレビュー公開しました。互換性を保つためGitプロトコル上で動作しながら、バックエンドとインターフェースはエージェント向けに再設計されています。これにより、どのリポジトリでもエージェントを実行し、数千規模に展開して、安全に試行させることができます。

私たちのチームは、このアーキテクチャの方向性を検証してきました。Gitとの互換性と監査性を維持しながら、内部のエンジンはエージェント型アクセスを前提に設計し直されています。

次世代SCMの統計データ

社内での初期結果は好調で、トークン数は最大2分の1、処理時間(ウォールクロックタイム)は最大50倍高速化、ネットワークトラフィックは最大1,000分の1に削減されています。

Transcend Londonでの次世代SCMのデモをご覧ください。

神経系:エージェントの難しい質問に答えるGitLab Orbit

エージェントはコードを書くことには長けていますが、その周囲のシステムを把握することには不慣れです。触れているコードは見えても、ライフサイクル全体は見えていないため、そのギャップが無駄な作業として表れます。

大規模なモノレポでは、エージェントが試行回数とトークンを過剰に消費し、回答を得るまでに時間がかかりすぎることがあります。複数リポジトリにわたる場合は、コンテキストウィンドウが満杯になった時点でエージェントが処理を放棄し、完全に失敗することもあります。その結果、見た目は正しいものの後で取り消される作業が生まれ、チームはエージェントが節約したはずの時間以上を、その出力の修正に費やすことになります。

現在パブリックベータとして提供中のGitLab Orbitは、ソフトウェアライフサイクル全体を対象とするコンテキストグラフです。コード、作業アイテム、パイプライン、デプロイメント、本番環境の情報を継続的に1つのライブグラフへマッピングし、エージェントが断片化された情報ではなく、一次情報としてのコンテキストから推論できるようにします。エンジニアはData Explorerを通じて同じグラフにクエリを実行し、変更履歴の追跡やインシデントの調査を行うため、すべての判断が信頼できる唯一の情報源から生まれます。

GitLab Orbitの統計データ

社内での初期テストでは、Orbitを活用したエージェントは応答速度が最大11倍向上し、コスト効率は最大4.5倍向上、ハルシネーションは最大45分の1に減少しました。

お客様であるCompare the Marketは、同一のプロンプトとモデルを用いて、GitLab OrbitをRAGベースの手法およびコンテキストなしのベースラインと比較するA/Bテストを実施しました。その結果、グラフに基づくエージェントは、インラインレビューコメントを正しい位置に配置する精度が70%(0.696)であったのに対し、RAGでは58%(0.577)でした。Compare the Marketは、79件の実際のマージリクエストでこの手法を検証し、グラフベースのコンテキストがコメント配置の精度において従来の検索手法を上回ることを確認しました。

続きを読む:GitLab Orbitの発表:コードとライフサイクルの全コンテキストを1つのクエリで取得

Transcend LondonでのGitLab Orbitのデモをご覧ください。

免疫系:セキュリティ向けエージェントとエージェントのためのガバナンス

エージェント型の時代では、各チームが管理すべきセキュリティおよびコンプライアンス上のリスクは増え続けています。エージェントがコードをリリースするスピードが速くなるほど、それに伴う脆弱性もより速くリリースされてしまいます。このサイクルは連鎖的に拡大します。エージェントが生成するコードが増えるほど、発見されるカバレッジのギャップも増え、スキャンを行うほど、トリアージや修正が必要な検出結果も増えます。そして、実行するエージェントが増えるほど、そのリスク姿勢を裏付けるために、各エージェントが適切なポリシーの下で正しく動作したことを証明する必要性も高まります。

このサイクルがあるからこそ、GitLab Ultimateを基盤として、セキュリティ向けエージェントを追加し、エージェントのためのガバナンスを導入しました。

セキュリティ向けエージェントは、リスクへの露出という側面に対応します。エージェントが脆弱性を生み出すのと同じ速度でスキャン、トリアージ、解決を行い、生成される量によってセキュリティ担当チームが埋没しないようにします。

現在プライベートベータとして提供中のエージェントのためのガバナンスは、信頼という側面に対応します。エージェントが大規模にコードをプッシュし、依存関係に変更を加え、デプロイメントを実行するようになると、問われるべきことは「スキャンしたかどうか」ではなく、「どのエージェントが、どのポリシーの下で何を行い、それを証明できるかどうか」に変わります。

エージェントのためのガバナンスは、すべてのエージェントアクションに対してID、ポリシー、監査、承認の仕組みを組み込み、組織全体にわたる入力、推論、ツール呼び出し、そして高リスクや異常な動作をリアルタイムに可視化します。予期しない事態が発生した場合でも、何が変更されたのか、どのポリシーによって許可されたのか、誰が承認したのかという実行コンテキストと監査証跡がすでに揃っています。

Transcend Londonでの「セキュリティ向けエージェントとエージェントのためのガバナンス」のデモをご覧ください。

オーケストレーションシステム:GitLab Duo Agent Platform

これまで紹介してきた機能はインフラストラクチャです。GitLab Duo Agent Platformは、これらを開発者の日々の作業の中で統合するオーケストレーションシステムであり、その導入は急速に拡大しています。1月に一般提供を発表して以来、週間アクティブユーザー数は10倍に増加しました。

ソフトウェア開発における摩擦は、これまで作業そのものにあったわけではありません。開発者は、コードを書き、レビューし、パイプラインを修正する方法をすでに知っています。時間が失われ、集中力が途切れる原因となっているのは、コンテキストの切り替えや待ち時間、各ステップ間の引き継ぎです。

GitLab Duo Agent Platform上では、エージェントがこのループ全体にわたって機能します。適切にスコープされたIssueを引き受けてマージリクエストを作成し、汎用的なベストプラクティスではなくチーム独自のルールに基づいてレビューを行い、返ってきたレビューフィードバックに対応します。

その品質は、第三者による評価でも実証されています。GitLab Duo Code Reviewは、Martian Offline BenchmarkでスコアリングされたAIコードレビューツールの中で、上位5位に入りました。また、これらのフローはイベントトリガーによって自動実行できるため、失敗したパイプラインの診断と修正を、複数のエンジニアの作業を中断させることなく行えます。プラットフォームは、コードの修正が必要な障害と、単に再実行すれば済む障害を区別します。

Transcend LondonでのGitLab Duo Agent Platformのデモをご覧ください。

GitLab Flex:一度のコミットメントで、シートとAI費用を自在に調整

エージェント型の時代を迎え、ニーズの予測はより難しくなっていますが、ソフトウェアの購入方法はそれに追いついていません。6か月先に必要なシート数、チームが消費するAIの量、有効化したい新機能がどれかは、事前には分かりません。しかし従来型の契約では、これら3つすべてを事前に固定し、契約更新まで変更できません。多めに見積もれば使われないシート分の費用を払うことになり、少なめに見積もれば新しい取り組みを始めるたびに調達プロセスを再度行う必要が生じます。

GitLab Flexのチャート

これを解決するのが、現在利用可能なGitLab Flexです。1つの年間コミットメントの中で、シート、AI使用量、新機能を月単位で自由に調整でき、すべて同じ契約から利用できるため、契約の変更や新たな調達手続きは不要です。あるチームがプロジェクトから外れた場合は、翌月分の予約枠を別のチームやAIに再配分できます。契約後に新機能がリリースされた場合も、既存のコミットメントの中で有効化できます。シートと使用量は1つのコミットメントの下にまとめられているため、導入状況の変化に応じて予算を自由に移動できます。(Flexの基盤となる使用量ベースの仕組みについては、GitLabクレジットの紹介記事をご覧ください。)

続きを読む:GitLab Flex:一度のコミットメントで、シートとAI費用を自在に調整

Transcend LondonでのGitLab Flexのデモをご覧ください。

コーディングとリリースの違い

エージェント型コーディングだけでは、道の途中までしか進めません。コーディングエージェントが変更を生成する一方で、GitLabのエージェント型インフラストラクチャは、それを全体のコンテキスト、ワークフロー、ガードレールに照らして検証し、エージェントが動作するスピードとエンタープライズが運用する規模で、安全にリリースできる状態にします。

今すぐ始める

GitLab Orbitは現在パブリックベータとして利用可能です。ベータプログラムにご参加ください。次世代SCMとエージェントのためのガバナンス機能は現在プライベートベータで提供されており、こちらから早期アクセスをリクエストできます。セキュリティ向けエージェントは、現在GitLab Ultimateでご利用いただけます。Duo Agent Platformは一般提供中です。最後に、GitLab Flexは現在、注文のリクエストを受付中です。詳細については、お問い合わせください。

私たちの使命は、すべてのチームが想像力のスピードで信頼できるソフトウェアをリリースできるようにすることです。皆様が何を生み出すのか、楽しみにしています。

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