更新日:2026年6月22日
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GitLab Monday Merge 6月号ではTranscendの模様をレポート!

6月のMonday Mergeがいつもより遅れて届いた理由が気になっている方もいるでしょう。特別なイベントを待っていたからです。GitLab Transcend Londonです!
GitLab Transcendはつい先ほど閉幕しました。そこで、何が発表されるのかを推測するのではなく、イベントの現場から直接、本当のストーリーをお届けしたいと考えました。
本当に印象的なイベントでした!
6月10日、開発者、顧客、研究者、そして業界リーダーが一堂に会し、エージェント型エンジニアリングの時代における未来の展開について語りました。主要な製品発表、顧客の成功事例、新たな調査結果、ライブデモが披露されました。さらに、今日ソフトウェアチームが直面している最大の質問とは:
AIによってソフトウェア開発は劇的に速くなった一方で、もはやスピードはボトルネックではなくなりました。
理解。ガバナンス。コンテキスト。説明責任。
議論の焦点は、そこへと移っています。
そしてTranscendイベント全体を通じて、何度も浮かび上がったテーマとは:AIはスピードの問題を解決した。次なる課題は、コントロールを維持することです。
「私たちはエージェント型エンジニアリングの時代にいます。もはやコード生成はボトルネックではありません。企業がいま直面している課題は、チームが構築しているシステムに混乱を持ち込むことなく、エージェントの規模で運用することです。」
GitLab 最高製品・マーケティング責任者
Manav Khurana
それでは、Transcendが閉幕したので、ソフトウェア開発の未来を形づくる主要な発表、インサイト、そして議論をいくつか見ていきましょう。

Transcendで発表された最大のニュースとは、現在パブリックベータ版として提供されているGitLab Orbitです。
| AIがエンジンだとすれば、Orbitはナビゲーションシステムです。
Orbitは、ソフトウェアライフサイクル全体を対象に、リアルタイムで検索可能なグラフを作成します。コード、作業項目、パイプライン、デプロイメント、本番環境のシグナルを結びつけ、単一の信頼できる情報源として統合します。
エージェントが貴重な時間を使ってコンテキストを再構築する代わりに、Orbitはシステムがどのように繋がり、どのように稼働しているのかを理解するために必要な情報を提供します。
Transcendで繰り返し語られたテーマは、AIはもはやコード生成そのものには苦戦していないということです。むしろ課題となっているのは、そのコードを取り巻く環境を理解することです。どのサービスが連携しているのか。どのパイプラインに影響が及ぶ可能性があるのか。誰がそのアプリケーションを所有しているのか。下流でどのようなリスクが生じ得るのか。Orbitは、ソフトウェアライフサイクル全体に関するコンテキストを共有された情報源として提供することで、この課題に対応します。それにより、エンジニアとAIエージェントの双方が、経験に基づく推測ではなく、情報に基づいた意思決定を行えるようになります。
AIが数秒でコードを生成できる時代において、コンテキストは急速に競争優位の源泉になりつつあります。
Orbitを活用するチームは、次のような成果を達成できています。
✅ タスク完了時間を最大11倍高速化
✅ 消費トークン数を最大4.5倍削減
✅ ハルシネーションを最大45分の1に削減
特に印象的だった事例のひとつが、Compare the Marketによるものです。同社は、AI支援によるコードレビューにおいて、Orbitを複数の代替アプローチと比較してテストしました。
その結果は以下:
Orbitは一貫して、より正確な要約、より適切なコメント配置、そしてより優れたコードレビュー成果を実現しました。おそらく最も意外だったのは、AIにコンテキストを与えるための標準的な手法と見なされることの多い検索拡張生成(RAG)が、コンテキストなしの場合よりも低いパフォーマンスを示したことです。
「GitLab Orbitが私たちにもたらしてくれたのは、以前から追い求めていたものでした。つまり、目の前の差分だけでなく、私たちのコードベースそのものを実際に理解するAIコードレビュー担当者を支えるナレッジグラフです。私たちは実際のマージリクエストを使って、検索拡張生成(RAG)やその他いくつかのアプローチと比較テストを行いました。その差は明らかでした。コメントの配置はより適切で、実際に何が変更されたのかを示す要約もより優れていました。自然な解決策だと考えていたRAGは、結果的にコンテキストなしの場合よりも低いパフォーマンスを示しました。私たちにとって、その結果はすべてを物語っていました。」
ライアン・ハーヴェイ氏
Compare the Market AIエンジニアリング責任者

Transcendで特に印象に残ったセッションのひとつは、Mercedes-Benz社によるものでした。同社は、インフォテインメントシステムから自動運転機能まで、様々なソフトウェアを開発する2万人以上のエンジニアをどのように支援しているのかを共有しました。
業界の多くがAIによる開発スピードの向上に注目する中、Mercedes-Benz社はそれと同等に重要な要素として、説明責任の重要性を強調しました。それが、説明責任という考え方です。
人々が命を預ける車両を支えるソフトウェアにおいて、トレーサビリティ、ガバナンス、そして人間による監督は不可欠です。
同社のアプローチは、AIがもたらすスピードと、人間によるレビューを通じた説明責任を組み合わせたものです。これにより、エージェントは適切な領域で迅速に動くことができる一方で、最終的な成果に対する責任は引き続き人間が担うことになります。
これは、Transcend全体を通じて語られていた中心的なテーマを示す、最も明確な実例のひとつ:コントロールを伴うスピードです。
⏩ GitLab Transcendのオンデマンド配信はこちら
こうした考え方は、多くの製品発表においても一貫して示されていました。
組織におけるAI活用が進む中、新たな課題が浮かび上がっています。
それは、舞台裏で何が起きているのかをいかに信頼できる形で把握するかという課題です。
エージェントがタスクを完了したという事実だけでは、もはや十分ではありません。
チームには、以下のような点に対する可視性が必要です:
この課題に対応するため、GitLabはGovernance for Agentsを発表しました。これは、エージェント主導のワークフローに、人間参加型のコントロール、ポリシー適用、監査可能性をもたらすものです。
Transcendからのメッセージは明確でした。AIの説明責任は将来の課題ではなく、今まさに取り組むべき課題です。
⏩ エージェントのガバナンスやその他のGitLab新機能について詳しくはこちら

Orbitは最も注目を集めた発表のひとつだった一方で、GitLab Flexは今日の組織が直面している最も現実的な課題のひとつに応えるものになるかもしれません。
多くのエンタープライズソフトウェア契約は、今後12ヶ月間に必要となるものを、正確に把握していることを前提としています。しかしAI導入の進み方は必ずしも予測通りではありません。チームは、エージェントを既存のワークフローにどう組み込むべきかを、今まさに模索している段階です。利用パターンは急速に変化し、新たな機能も調達サイクルでは追いつけないスピードで次々と登場しています。
GitLab Flexは、プラットフォームのシートとAIクレジットを単一の年間コミットメントに統合することで、こうした不確実性に対応します。支出を個別の枠に固定するのではなく、組織はニーズの変化に応じて、ユーザー数、AI利用量、新機能への配分を柔軟に調整できます。契約を再交渉したり、追加の調達プロセスを発生させたりする必要はありません。
Flexにより、組織は以下の点が可能となります。
✅ シート数とAI利用量の配分を柔軟に調整
✅ 追加の調達プロセスなしで新機能を導入
✅ AI利用量をより効果的に予測
✅ ニーズの変化に応じて導入規模を拡大
AIがソフトウェアデリバリーにおいて大きな役割を担うようになる中、柔軟性は単なる商業的メリットにとどまらず、戦略的な優位性になりつつあります。
⏩ GitLab Flexについて、詳しくはこちらからご覧ください。

Transcendで特に示唆に富んでいたセッションのひとつが、スタンフォード大学のソフトウェアエンジニアリング生産性研究グループによる発表でした。同グループ研究では、AIによって大きな成果を上げているチームがある一方で、なぜ一部のチームではそれほど大きな効果が見られないのかが掘り下げられました。
調査結果は、成功がモデルだけによって決まるわけではないことを示しています。強固なエンジニアリングプラクティス、明確なプロセス、質の高いデータ、単にAIを導入して成果を期待するチームを一貫して上回っています。つまり、AIは自動的により良い成果を生み出すものではなく、組織がすでに持つ強みをさらに引き出す一方で、既存の弱点を浮き彫りにすることもあります。
AIの能力が高まる中でも、基本の重要性は変わらないことを改めて示す、非常にタイムリーな示唆です。AIの可能性を測定可能な成果へとつなげるには、コンテキスト、コラボレーション、そしてオーケストレーションが引き続き不可欠です。

Transcendで始まったこの議論は、今月も続きます。
以下のイベントでも、このテーマについてさらに深掘りしていきます。
📍 Epic on Tour Frankfurt ― 6月16日
📍 Duo Agent Platform in Action ウェブキャスト ― 6月17日
📍 AWS Summit New York City ― 6月17日
ご参加予定の方は、ぜひお気軽にお声がけください。会場でお会いできることを楽しみにしています。
⏩ 世界各地で開催予定のGitLabイベントについて詳しくはこちら
AIエージェントについて1週間にわたり議論を重ねる中で、スポックの言葉に改めて共感を覚えました。
「コンピューターは非常に優秀で効率的な召使いになり得る。
しかし、私はその下で働きたいとは思わない。」
スポック氏スター・トレック:宇宙大作戦
時を経ても色あせない教訓があります。私たちは今、AIエージェントとともにソフトウェアを構築する時代にいます。だからこそ、人間が舵を取り続けることは、やはり賢明な考えのように思えます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。Transcendを通じて明らかになったことがひとつあります。コードを生成することは、もはや最も難しい課題ではありません。
次の課題は、そのコードを成果へとつなげるために必要なコンテキスト、オーケストレーション、そして説明責任をいかに確立するかです。
それではまた次回。いつものように、Happy Merging!

Fatima Sarah Khalid|Senior Developer Advocate, GitLab
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