GitLabでツールチェーンの氾濫を改善したディーキン大学
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ディーキン大学は、GitLabのDevSecOpsプラットフォームの利便性やすぐに使えるセキュリティ機能により、コラボレーションと生産性を向上させています。
ディーキン大学はテクノロジーをコラボレーションの基盤としており、オーストラリアで最も進歩的で対応の速い大学になることを目指しています。
最新のソフトウエアデリバリーを通じた遠隔教育界のリーダー
ディーキン大学は1974年にオーストラリアのビクトリア州メルボルンに設立され、当時地域でも数少ない遠隔教育を専門とした最初の大学のひとつでした。ディーキン大学は、応用人工知能研究所、フロンティアマテリアル研究所、インテリジェントシステム研究所などの複数の研究所を抱えています。教育と研究において優れた成果を残しているだけでなく、ディーキン大学はその長いコラボレーションの歴史の中で業界や政府とのパートナーシップを築き、問題を解決し、アイデアを共有してきました。
ツールの急増によるプロセスの断片化
ディーキン大学のソフトウェアエンジニアリングチームには、アプリケーションアーキテクチャ、ソフトウェア開発、テスト、ソフトウェア運用を担当する12人以上で構成されるデリバリーチームが存在します。ディーキン大学のデジタルイネーブルメントディレクターであるAaron Whitehand氏は、DevOpsプラクティスを使用しているITパートナーと共同作業をした後に、大学のソフトウェアエンジニアリングチームがどのようにソフトウェア開発プロセスを最新のものにできるかを考え始めました。
Whitehand氏の最優先事項は、大学の既存のソフトウェア開発ツールチェーンの複雑さを解決することでした。「チームには重複したツールがあったため、結果として、その場しのぎのソフトウェア開発プロセスが発生していました」とWhitehand氏。「CI/CDツールだけでなく、ソース管理ツールやパッケージ管理ツールも重複していました。また、さまざまなチームが異なるオープンソースのSASTツールを使用していたため一貫性に欠け、簡単に監査を行える機能もありませんでした」当時ディーキン大学が使用していたツールには、継続的インテグレーションと継続的デリバリー(CI/CD)のためのBamboo、Circle CI、Jenkins、およびバージョン管理とソース管理(SCM)のためのSubversionが含まれていました。
ソフトウェアエンジニアリング組織内のさまざまな部門が非常に多くの異なるツールを使用しており、その多くが同じ用途のため、チームは手作業や重複作業に負担をかけられていました。「チーム間での引き継ぎが必要なシンプルなコードレビュープロセスが複数あり、非常に時間がかかるだけでなく、手作業も必要でした」とWhitehand氏。「チームは毎日、繰り返し手間のかかる作業をしなければなりませんでした」
ディーキン大学のツールチェーンの氾濫により、Whitehand氏のチームは大学全体(研究者、教員、学生)にソース管理、CI/CD、パッケージ管理、ソフトウェアサプライチェーンセキュリティ、外部パートナーとのコラボレーションのための適切なツールを提供することができないでいました。さらに大学が予算を削減したこともあり、開発ライフサイクル内の関連する課題を解決するための複数のポイントソリューションへの支払いを維持できなくなりました。「当時はライセンスだけでなく、スタッフ全体の維持に必要なスキルも含め、全体の所有コストを節約するためにソフトウェアを合理化しようとしてました」と語るWhitehand氏。ディーキン大学は、デベロッパーがコードに関するフィードバックをより迅速に取得でき、セキュリティテストを自動化し、組織全体で急務となっていた一貫性を実現できるエンドツーエンドのプラットフォームを必要としていました。
大学コミュニティを後押しする単一プラットフォーム
GitLabを選択する前、ディーキン大学は複数のツールに対し概念実証を行いました。Whitehand氏にとって評価中に最も印象に残ったのは、GitLabプラットフォームがデベロッパーから高い評価を得たことでした。「技術的な概念実証のために環境を立ち上げた後、プラットフォームを試したデベロッパーたちは、その使いやすさ、優れた文書化、シームレスに使いこなして必要なことを迅速に達成できる機能性など、さまざまな機能を大絶賛していました」
もう1つの利点として、GitLabをディーキン大学の既存のツールとスムーズに統合できる点があり、今までのツールを一度に廃止して置き換える必要はありませんでした。ディーキン大学は、GitLabをAgileチームやDevOpsチームのためのJira、秘密管理のためのHashiCorp Vaultと統合することができました。GitLabとRed Hat OpenShiftの互換性により、Whitehand氏のチームはGitLabをOpenShiftクラスターにデプロイすることができました。
毎月22日に有用な新機能が追加されるGitLabの定期的なリリースのケイデンス(サイクル)も、決定を後押しした重要な要因でした。ソフトウェアエンジニアリング部門のグループマネージャーであるMichael Heley氏は、「現在発生中の問題に常に取り組んでいるGitLabのリリースには毎回ワクワクしています」と語っています。「他の多くの組織と同様、セキュリティは私達にとっても最大の課題です。そのため、ライセンスに伴うセキュリティオプションの成長と成熟度を確認することは非常に大切です」 GitLabを使用することで、ディーキン大学はさまざまなセキュリティスキャナーを実装し、結果を直接デベロッパーに渡すことができました。これにより、大学はさまざまなセキュリティポイントソリューションやオープンソースツールを置き換えることができ、コストと複雑さを削減しながら、チーム間で管理する必要のあるツール関連のスキルセットの数を減らすことができました。
ディーキン大学のソフトウェアエンジニアリング担当マネージャーのHayden McFadyen氏によれば、GitLabの大きな利点は、オールインワンソリューションであるため、実装とメンテナンスが容易であるということです。「V13のときからアップグレードしていますが、いつでもスムーズにできました」とMcFadyen氏。「特筆すべきは、ソース管理(SVNとBitbucket)、CI(BambooとJenkins)、CD (JenkinsとBuildkite)に使用していた製品を真に統合できたことでした」
さらに、GitLabは教育機関としてのディーキン大学特有のニーズに合わせた特別なパッケージも提供しています。GitLab for Campuses ソリューションは、対象となる教育機関に、すべてのユースケースとデプロイ方法に無制限のシート数を提供します。ディーキン大学はシートごとの価格設定に制約されることなく、大学全体でGitLabの使用量を増加させることができました。ディーキン大学はGitLab for CampusesでDevOps、ソース管理、CI/CD、パッケージ管理、ソフトウェアサプライチェーンセキュリティのための単一のツールを活用し、研究スタッフ、教員、インターン、学生を支援しています。
共同作業とコード品質の改善
ディーキン大学は現在、学内環境で300人以上のGitLabユニークユーザーを抱えています。GitLabを導入して以来、大学はソフトウェアサプライチェーン全体の手作業を劇的に減らすことができました。これにより、チームはコードをより迅速に本番環境に移行できることが可能になっています。「GitLabを使用することで、これらの手動タスクの大部分が自動化され、さらにその時間の少なくとも60%が削減されたと思います」とWhitehand氏は言います。
ソフトウェアエンジニアリング組織において大幅な改善が見られた箇所の1つは、コードレビュープロセスでした。以前は、同社ではさまざまな手動による静的アプリケーションセキュリティテスト(SAST)ツールを含め、さまざまなプロセスに従ってコードをチェックしていました。GitLabを使用すると、これらのプロセスが自動化され、再利用可能なパイプラインに組み込まれます。「デベロッパーがコードをコミットすると、同僚からすぐにフィードバックを得られるようになりました」とWhitehand氏は言います。「以前はそうではなく、デベロッパーは、先輩やチームリーダーからコードに関するフィードバックをもらえるまで数日待つこともありました」
また、ディーキン大学のイネーブルメントチームは、カスタムマージリクエストテンプレート、テンプレート化されたビルドパイプライン、セキュリティおよびコンプライアンスフレームワークなど、標準化されたプロセスと再利用可能なテンプレートも構築できました。これらはより幅広い大学コミュニティや市民デベロッパーと共有することができるため、大学内だけでなく主要パートナーとのイノベーションとコラボレーションが推進されます。「私たちは実践のコミュニティを育成し、長期間にわたり繁栄するようサポートしようとしていましたが、このツールを導入するまで失敗に終わっていました」とWhitehand氏は言います。
ディーキン大学では、ソフトウェア開発ライフサイクルにおけるプロセスを改善することにより、エンドユーザーにとってより高品質なソフトウェアとより良いエクスペリエンスを提供できるようになりました。GitLabを採用して以来、サポートチケットの解決までの平均時間(MTTR)が大幅に減少しました。さらに、GitLabのエンドツーエンドのDevSecOpsプラットフォームにより、同校の開発チームとセキュリティチームのつながりが深まっています。「現在、リリースに伴うリスクを把握するために、セキュリティチームと非常に緊密に協力しています」とWhitehand氏は言います。「GitLabを導入する前は、何かを本番環境に展開する段階に達したとき、何が起こるかを常に正確に把握できているわけではありませんでした」 現在、同校のデベロッパーらは、本番環境への展開時にコードが機能すると確信できるようになりました。
2021年にディーキン大学は、教師や学習デザイナーがインタラクティブで魅力的な3Dおよび拡張現実体験を作成できるようにするアプローチ「ideAR」の取り組みが評価され『Gartner Eye on Innovation Award for Higher Education 』を受賞しました。ディーキン大学はGitLabを使用して、ideARプロジェクトの開発を支援しました。
ディーキン大学は、同校とその学生、スタッフ、教員の未来のために、GitLabに投資することに大きな可能性を感じています。同校では中央ITインターンプログラムの一環として、過去12か月間にわたり、さまざまな部門の学生インターン約20人に対して、GitLabへのアクセス権限を付与しました。対象となる学生がGitLabを用いて実社会と同様の体験をし、卒業後の成功に向け準備できるようにすることを目的としています。ディーキン大学は、今後を見据えて、大学全体でDevOpsやコンピュータサイエンスのその他のトピックを教える際のプラットフォームとして、GitLabを選定することを計画しています。
「GitLabを採用した結果、デベロッパーのエンパワーメントに大きな変化がありました」とWhitehand氏は言います。「GitLabのようにデベロッパーを刺激できた取り組みは、これまで他には一切ありませんでした」
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