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AIを活用してDevOpsチームのセキュリティを向上させる方法

DevOpsチームがどのようにAIと機械学習を用いて、セキュリティを強化し、リスクを最小限に抑え、より安全なコードをリリースしているかをご紹介します。

December 5, 2023 4分で読めます

ソフトウェア開発において人工知能(AI)と機械学習(ML)は、DevOpsチームの繰り返しの作業を減らし、コードリリースの効率化に役立つだけではありません。AIとMLを活用すれば、より安全で優れたコードをリリースし、自社と顧客に対するセキュリティリスクを最小限に抑えられます。

この記事では、AIを使って組織のセキュリティを強化する方法をいくつかご紹介します。

セキュリティの脆弱性をより迅速に緩和する

セキュリティの脆弱性が検出された場合、修正するためには、まずは検出された脆弱性を理解する必要があります。AIが役立つのがこのステップです。従来の方法では、チームが手作業でコードの脆弱性を確認する必要があります。これでは時間がかかる上に、人為的ミスが生じやすくなります。しかしながらAIを使用すれば、開発チームとセキュリティチームは、潜在的な脆弱性情報やその情報を攻撃者がどのように悪用できるのかサマリーを自動生成できます。さらに高度なAI搭載ツールなら、脆弱性ごとにサンプルコードとともに緩和策を提案することもできるため、セキュリティリスクの軽減方法について実用的なインサイトを得られます。

より効率的かつ効果的にコードレビューを行う

デベロッパーが作成したコードをレビューする段階でAIを使用すれば、いくつかの方法で作業をスピードアップし、潜在的な問題を見つけられます。

AIは、コード作成者が最適なレビュアーを選べるように手助けしてくれます。最適なレビュアーとは具体的には、コードベースに精通していて重要な問題を見つける可能性が高く、コードレビューリクエストを無視したり、他の誰かに押し付けようとしたり、不十分なフィードバックを提供したりする可能性が低い人を指します。最適なコードレビュアーを選ぶのは、人間にとっては複雑になりがちな作業です。しかしながら、機械学習アルゴリズムなら、変更内容とプロジェクトのコントリビューショングラフを分析して、レビュアーの特定をサポートできます。

さらにAIは、レビュアーが依頼されたレビュー内容を素早く理解できるよう、マージリクエストサマリーを生成することも可能です。このサマリーで、コードレビューのハンドオフプロセスがスムーズになります。

適切なテストカバレッジを確保できるようにテストを生成する

コードが想定どおりに動作し、セキュリティの問題が生じないようにする上で特に重要な作業は、コード変更を徹底的にテストすることです。しかしながら、テストの作成は大変で、時間がかかることが多いため、大抵の場合、適切なテストカバレッジを確保できずに本番環境にコードがプッシュされてしまいます。

AIを使用すれば、コードの変更内容に基づき、テストファイルとともに必要なテストが提案されるため、デベロッパーは多くの時間をテストについて考えたり作成したりせずに済み、コーディングにより多くの時間を費やせます

実際、多くのDevOpsチームはすでにAIを使ってテスト生成を行っています。GitLabが世界各地のDevSecOps専門家5,000名以上を対象に実施した2024年グローバルDevSecOps調査では、自社においてソフトウェア開発にAIを使用していると述べた回答者の約3分の1(32%)が、自動テスト生成にAIを使用していると回答しました。

AIを利用する際に自社独自のデータを守る

多くの組織にとって、AIやMLの活用によって効率化を実現する際に、プライバシーやセキュリティ、コンプライアンスを犠牲にせずに済むことは重要です。GitLabが実施した調査の回答者の半数以上(55%)が、ソフトウェア開発プロセスへのAIの導入にはリスクが伴うと感じていると述べています。回答者からもっとも多く挙げられたAI関連の最大の障害は、プライバシーとデータセキュリティに関する懸念でした。

ソフトウェア開発プロセスにAIを統合する前に、機械学習モデルのトレーニングに自社の独自データが使用されるのかどうか、また使用される場合、一体どのように使用されるのかを把握する必要があります。DevOpsチームが適切でないAIツールを使用してしまうと、極秘データやソースコードの漏洩につながり、大きな痛手とコストが生じる可能性があります。

生成AIの影響を理解して測定するために、DevSecOpsチームが何ができるのかをご確認ください。

AI搭載のDevSecOpsワークフローを活用してセキュリティを強化する

DevOpsチームはGitLab DuoのようなAIソリューションを導入し、脆弱性の説明、テストの提案、レビュアーの推奨、マージリクエストサマリーなどの機能を活用することで、ソフトウェア開発ライフサイクル全体のセキュリティを強化できます。

GitLab Duoは、企業や規制対象組織がAI搭載のワークフローを導入できるように、プライバシーを重視したアプローチで設計されています。また、顧客独自のデータやソースコードを使用して機械学習モデルのトレーニングを行うことは一切ありません。

Frequently asked questions

主要なポイント
  • ソフトウェア開発において人工知能(AI)と機械学習(ML)は、コード生成に役立つだけではありません。AIとMLを導入すれば、脆弱性のより迅速な緩和、コードレビューの効率化に加え、適切なカバレッジの実現に必要なテストが提案されるため、セキュリティが強化されます。
  • 現在、DevSecOpsチームの約3分の1は、すでに自動テスト生成にAIを使用しています。その一方でDevSecOpsチームの55%は、ソフトウェア開発ライフサイクルへのAIの導入にはリスクが伴うと感じています。
  • 組織は、プライバシーを最優先に考え設計され、機械学習モデルのトレーニングに自社独自のデータやソースコードを使用しないAIツールを優先的に活用すべきです。