公開:2025年6月24日

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GitLab Duo Agent Platform

GitLab Duo Agent Platformは自律型AIを活用し、ソフトウェア開発ライフサイクルにわたる人間とAIエージェントのコラボレーションを実現。

GitLab Duo Workflowの進化版である「GitLab Duo Agent Platform」をご紹介します。この革新的なプラットフォームを導入すると、ソフトウェア開発ライフサイクル全体をとおして自律型機能を利用できます。これにより、チームは複数のAIエージェントと並行して作業を進められます。

出社後の流れが次のように変わることを想像してみてください。

  • チームが取り組んでいるエピックに関する詳細な調査、過去1週間のすべてのコントリビュートに関する最新情報の収集、最近追加された機能に基づくリリース記事の提案、これらすべてのタスクを1体のAIエージェントに割り当てます。
  • 同時に、別の複数のAIエージェントにいくつかのアクセシビリティバグの分析、およびそれらの修正に必要なコード変更を依頼します。
  • さらに並行して、自分が加えた複雑なコード変更をチームメンバーに送信して正式なレビューを受ける前に、別のAIエージェントにレビュー・フィードバックを依頼します。
  • 最後に、プロジェクト全体での調査が必要な新たな脆弱性についてセキュリティチームから通知があった場合は、セキュリティエージェントにその調査タスクを割り当てます。

これらのタスクはすべて同時に実行されます。その間、アーキテクチャに関する決定や、独創的な問題解決、戦略的な技術作業に専念できます。Agent Platformでは、5体、10体、さらには100体もの専門的なAIエージェントにタスクを委任できます。これらのAIエージェントはコードだけでなく、CIジョブログや計画作業アイテムなど、プロジェクトの全コンテキストに基づいてタスクを実行します。これまでやらざるを得なかった面倒な作業を自動化することで、やりがいのある作業に専念できるようになります。

このアプローチの目的は、デベロッパーを置き換えることではなく、日常的なタスクにより生じる業務の非効率性を解消し、人間の創造性と専門知識を活かせるようにすることです。 これこそが、GitLab Duo Agent Platformがもたらす未来です。

GitLab Duo Agent Platformとは?

Agent Platformは、チームの生産性とサイクルタイムの大幅な改善を支援するよう設計されており、ソフトウェア開発ライフサイクル全体にわたるエンジニアとAIエージェントの多対多のコラボレーションを実現します。

GitLabのセキュアな基盤上に構築されたAgent Platformは、カスタマイズおよび拡張が可能です。デベロッパーはAgent Platformを使用することで、ソフトウェア開発ライフサイクル全体のコンテキストを活用してソフトウェアエンジニアリングに関するあらゆる種類の問題に取り組むAIエージェントを構築できます。

専門的なAIエージェントとカスタムワークフローを備えたAgent Platformは、コード作成だけでなく、以下を含むほぼすべての作業をお手伝いできます。

  • イシューの実装
  • 大規模な移行や依存関係の更新
  • ドキュメントやリリース記事の自動作成
  • 破損したパイプラインの修復
  • インシデント調査のサポート
  • トピックに関するステータスや情報の詳しい調査
  • バックログ管理
  • 脆弱性の修正
  • 特定のタイプのコード(データベースなど)のレビュー
  • 既存のモジュールをベースとした社内ツールの迅速な構築
  • その他多数

すぐに利用できるAIエージェントがあらかじめ用意されており、それらをカスタマイズまたは拡張することも可能です。現在、数十社のお客様の協力のもと、Agent Platformのベータテストを実施しています。ベータ版は、近日中にさらに多くの方々に公開される予定です。

以下の動画では、Agent Platformを実際に使用する様子をご覧いただけます。

ツールも、モデルも、エージェントも、自分で選べる

GitLabエージェントは、標準的なModel Context Protocol(MCP)とAgent2Agent(A2A)フレームワークを通じて、お好みのコード作成開発ツール(Cursor、Claude Code、Windsurf、OpenAI Codexなど)とシームレスに相互運用できます。これは、GitLabをオープンプラットフォームとして提供するという方針を反映しています。

Agent Platformは、技術スタック内のどの開発ツールからのコードのコントリビュートも受け入れます。それがデベロッパーによって記述されたものであれ、AIエージェントが生成したものであれ、関係ありません。つまり、エージェント機能を統合しても、これまで使い慣れたワークフローやツールは引き続きシームレスに動作します。

Agent Platformは、GitLabの選定基準を満たす承認済みの言語モデルであれば、どれでも利用できます。セキュリティ要件が厳しい組織向けに、完全にインターネットに接続されていない(エアギャップ)環境における承認済みのセルフホストモデルの実行もサポートしています。そのため、インフラ要件やセキュリティポリシーによって、自律型開発の実施を制限されることはありません。

コンテキストを把握して動く、GitLab Duoエージェント

単に便利なAIツールと本当にインテリジェントなAIエージェントの違いは、コンテキストを理解しているかどうかにあります。Agent Platformでは、AIエージェントは単独で動作しません。実際に開発作業が行われるプラットフォームに深く統合されています。

すべてのAIエージェントは、未解決のイシューとその履歴、イシューを解決したマージリクエスト、コードの構造と背後にある理論的根拠、CI/CDパイプラインの設定、セキュリティ検出、コンプライアンス要件、そしてこれらすべてのコンポーネントの複雑な関係など、プロジェクトの全体像を自動的に把握します。

AIエージェントもエンジニアと同様、安全なソフトウェアをよりスピーディーにリリースするために役立つコンテキストをすべて把握しています。AIエージェントは、コードに関する質問に答えるだけでなく、提案された変更がデプロイパイプラインにどのような影響を及ぼすかといったインサイトを提供したり、現行のコンプライアンス規則に基づいてセキュリティの改善を提案したりできます。GitLabのDevSecOpsプラットフォームで作業すればするほど、AIエージェントはより賢くなります。

エージェントがチームをスケールする際も、コントロールを維持

AIエージェントとの信頼関係の構築は、新しいチームメンバーとの信頼を築くことと本質的には変わりません。AIエージェントの仕事を見ながらアプローチを理解し、実際の遂行能力に応じて徐々にまかせる作業を増やしていく必要があります。

これこそが、当社のエージェント承認ワークフローの根底にある考え方です。AIエージェントは、コードや環境に変更を加える前に、イシューについて把握している内容、採用するアプローチ、実行しようとしている具体的なアクションなど、明確な計画を提示します。必要に応じて再検討もしくは承認するか、指示を出し直すことができます。時間が経つにつれ、AIエージェントが一貫して質の高い作業を行えるようになるため、複雑な作業や重要な業務は引き続き監視しつつ、日常的なタスクについてはAIエージェントにより大きな自律性を与えられるようになります。

コミュニティとカスタマイズ性のために構築されたプラットフォーム

GitLabは常にコミュニティのみなさまからのコントリビュートによって成長してきました。今年はお客様からのコントリビュートが過去最多を記録し、大きな節目の年となりました。オープンフレームワークアプローチを通じて、こうしたコラボレーションの輪にAIエージェントも加われるようになりました。

Agent Platformでは、GitLabが構築したAIエージェントを利用できるだけでなく、コミュニティ一人ひとりが、それぞれ固有のエンジニアリング上の課題を解決するために専用エージェントを作成できます。エージェントプラットフォームは、特定のコーディング標準の理解、カスタムツールチェーンとの統合、ドメイン固有のタスクの処理など、任せたい作業に応じた専用エージェントを構築するためのビルディングブロックを提供します。

このコミュニティ主導のモデルは、CI/CDカタログと同様、グローバルな連携を通じてGitLabコミュニティの力が発揮される好循環を生み出します。さまざまな実際のユースケースがイノベーションが促進し、企業からのフィードバックが信頼性とセキュリティを保証します。そして、共有されたソリューションはコミュニティ全体に利益をもたらします。GitLabを成功に導いてきたこの協調的なアプローチが、いま、自律型開発という領域にも適用されようとしています。

開始するには

GitLab 18のPremiumおよびUltimateのGitLab.comユーザーライセンスで利用可能になったGitLab Duo Agentic Chatを試された方は、AIエージェントを開発ワークフローに組み込むことで何が実現できるのか、その可能性をすでに実感されていることでしょう。

エージェントプラットフォームの機能や、GitLabが現在取り組んでいる内容については、GitLab 18のリリースイベントの録画ウェブキャストのデモをご覧ください。

エージェントプラットフォームをいち早く使ってみたい方は、Agent Platformベータ版のウェイトリストにご登録ください。今年の夏には、さらに多くのチームにご利用いただけるようになる予定です。また、年内に予定されているGitLab 18のリリースを通じて、新たなエージェント機能も順次提供されます。一般公開は、今年の冬を予定しています。

免責事項:この発表には、今後の製品、機能、および機能性に関する情報が含まれています。本発表に含まれる情報は、情報提供のみを目的としている点にご留意ください。購入や計画の際に、この情報のみに依拠することはお控えください。すべてのプロジェクトと同様に、このプレゼンテーションおよびリンク先のページに記載されている項目は、変更または遅れる可能性があります。製品、機能および機能性の開発、リリース、タイミングは、GitLab Inc.の独自の裁量に委ねられます。

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