更新日:2025年11月13日
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Gitとは?管理部門やオペレーション部門、初心者には知られていないGitの基礎知識を、仕組みから利点、基礎用語、よくある質問まで徹底的に解説。

Gitとは、分散型バージョン管理システムで、ファイルのバージョン管理が簡単にできるツールです。「文書作成アプリケーションでも変更履歴を保存して表示できるし、それとどう違う?」「分散型バージョン管理システムっていったい何?」といった疑問も浮かぶことでしょう。この疑問については後ほど詳しく説明します。
そもそもGitとは「Global Information Tracker(グローバルインフォメーショントラッカー)」の頭文字を取っていると言われています。つまり、Gitは包括的(Global)に変更履歴情報(Information)の追跡(Tracker)を行うツールという意味です。 ここで注目しておきたいのは「包括的」という言葉です。文章作成ソフトの変更履歴と違い、ただ単にバージョン履歴を保存するだけではない点です。
Gitはファイルやコードのバージョン管理に使われます。バージョン管理システムとは、その名のとおりファイルやコードなどの変更(バージョン)を管理するシステムであり、チーム全体での調整、共有、コラボレーションを容易にします。
あるファイルを作成した後、時間が経つにつれ変更点が複雑になり、ファイルの本筋がどこにあるのかわかりにくくなることがあります。たとえば、ミーティングの議事録について考えてみましょう。議事録をプロジェクトチームに共有し、欠席者がその内容について質問コメントを残し、ある人が補足情報を足し、別の人が会議中生じた確認事項を追記し、また別のある人が補足情報の一部を削除する。このように複数の関係者が何度も編集することで各時点で実施された変更を正確に把握することは難しくなっていきます。
バージョン管理システムは、ファイルのすべての変更を追跡し、以前のバージョンに戻ってシームレスに共同作業できるようにする非常に便利なツールです。
Gitを含むバージョン管理システムには、主に次の3つの機能があります。
それでは、Gitのような分散型管理システムの利点は何でしょうか?それを理解するために、まず2つのバージョン管理システムの仕組みを説明します。
中央集中型バージョン管理システム(CVCS)では、すべてのバージョンを1つのサーバーに格納します。プロジェクトメンバーはそのサーバーにアクセスしてファイルを更新します。ある人が更新を行っている場合、他の人はそのファイルで作業できません。基本的に作業はオンラインで行い、変更点はサーバーによってきちんと保存およびカタログ化されます。このシステムはいたってシンプルであり、変更を管理する方法が簡単であるため、チームの規模が小さい場合に有効です。しかし、編集作業自体が複雑になってしまうため、更新を行ったメンバー同士の衝突が起こる場合もあります。
一方、Gitのような分散型バージョン管理システム(DVCS)の利点は、柔軟性の高さです。分散型では、ファイルをサーバーで一元管理するだけに終わりません。 各プロジェクトメンバーはプロジェクト履歴全体をローカルに保持して、オフラインで作業できます。その作業結果を確認後、サーバーにアップすると、サーバー上でバージョンの保存およびカタログ化が行われます。したがって、中央集中型バージョン管理システムよりも、多様なバージョンの分岐ができ、またバージョンのマージ(結合)も容易になります。
ハイブリッドやリモートなどさまざまな働き方が当たり前となった昨今、Gitのような分散型バージョン管理システムの柔軟性は、複数のプロジェクトを走らせたり織り交ぜたりするダイナミックなチームにとって不可欠な存在となっています。両者の違いを表で確認しましょう。

分散型バージョン管理システムの優れた点を説明してきましたが、Gitを使うメリットは、ずばり「開発業務の効率が上がること」です。プロジェクトメンバーが同時に作業でき、プログラムの共有を容易に行えるため、管理しやすいのです。また、開発過程で修正点やバグへの対処が必要となるのはよくあることですが、その際も管理されたバージョン履歴をたどって迅速に原因の特定ができます。そのため、迅速に対処できるのです。
ここで改めてGitを導入してできることを具体的に挙げてみます。
Gitの使い方と、どのような用語を使用するか、初心者が理解しやすいように表組にまとめてみました。
場所の名前

アクションとコマンド

このように便利でさまざまな利点があるGitですが、弱点もあります。
このようなGitの弱点を一挙に解決するのが、Gitにユーザーフレンドリーなインターフェイスを組み込んだ管理ツールです。管理ツールを使えば、コマンドを打ち込んで操作するのではなく、日常使っているアプリケーションのようにマウスでクリックして操作できるため、Gitの多数のメリットを組織にスムーズに取り入れられます。 Git管理ツールを導入すると次のようなメリットがあります。
Gitを使うためにコマンドを覚える必要がない
Gitを学習する時間が短縮できる
エンジニア以外でもGitを使えるようになる
Git管理ツールにはさまざまな種類がありますが、開発スピードを確保しつつセキュリティも高めたい組織が選んでいるのは、GitLabです。
GitとGitLab。名前が似ているのは、GitLabがGitを使ったDevSecOpsプラットフォームサービスだからです。
GitLabはバージョン管理システムであるGitを中心に、開発(Dev)セキュリティ(Sec) オペレーション(Ops)のすべてをこなせるプラットフォームであり、アイコンやボタンなどのグラフィックを使用して視覚的に操作できるグラフィカルユーザーインターフェイスを採用しているため、Gitの弱点を克服できます。
当然、先ほど挙げたGit管理ツールのメリットを享受できますが、それだけではありません。計画から本番まで、DevSecOpsのあらゆる機能が1つのアプリケーションにまとまっているため、プロジェクトにかかわる各部署の連携が強化され、チームにまとまりが生まれます。
GitLabの「非エンジニアを含む各部門がGitを使用でき、情報を統一的に集約して管理しやすいツール」という面は、他にはない特徴です。
まとめると、GitLabには次のような特徴があります。
ツールチェーンを簡素化できる
重要なDevSecOpsツールがすべて1つのプラットフォームに集約されています。
ソフトウェアデリバリーを高速化できる
オートメーション、AIを活用したワークフローが提供されています。
セキュリティを統合できる
セキュリティはデフォルトでビルトインされており、追加は不要です。
どこにでもデプロイできる
複数のクラウドにコンピューティングを分散するマルチクラウドアプローチが行えます。
Freeプランでノーコストでのお試し導入ができる
無料試用版をクレジットカードの登録なしで使用開始できます。
開発のスピード向上を計りたい+包括的なセキュリティ対策を重要視したいという組織に、GitLabは最適です。 GitLab公式サイト
ここまで、組織のマネジメントやオペレーション部門などで働く非エンジニアや初心者向けに、Gitとは何か、おさえておくべき基礎知識、仕組み、用語をご紹介しました。Gitの概要を把握しておくことで、導入を検討する際の一助になれば幸いです。 これほど利便性が高いGitですが、開発(Dev)セキュリティ(Sec) オペレーション(Ops)プラットフォームであるGitLabの、ほんの一部の機能にすぎません。すべてをこなせるDevSecOpsプラットフォームの力強さに興味がある方は、ぜひ30日間無料トライアルでGitLabを体感してみてください。
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監修:川瀬 洋平 @ykawase (GitLab合同会社 カスタマーサクセス本部 シニアカスタマーサクセスマネージャー)