公開:2025年9月19日
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GitLab 18.4でリリースした最新機能を公開します。
本ブログは、GitLab 18.4 Releaseの抄訳です。内容に相違がある場合は、原文が優先されます。
このたび、GitLab 18.4のリリースを発表しました。このリリースでは、GitLab Duo Model Selectionの一般提供、GitLab Knowledge Graph、GitLab Duoでのエンドユーザーモデル選択機能の提供開始、さらにCI/CDジョブトークンによるGitプッシュリクエストの認証機能など、さまざまな機能が追加されました。
これらの機能は、今回のリリースに含まれる19項目の改善点のほんの一部です。この記事では、お役に立つアップデートをすべてご紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
GitLab 18.4には、GitLabコミュニティのユーザーから136件ものコントリビュートがありました。ありがとうございました!GitLabは誰もがコントリビュートできるプラットフォームであり、今回のリリースはユーザーのみなさまの協力なしには実現しませんでした。
来月のリリースで予定されている内容を先取りするには、今後のリリースページ をご覧ください。
次回のGitLab Developer Showでは、GitLab 18.4の最新機能を詳しく解説し、活発なコントリビューターコミュニティの育成についてお話しします。ご質問やライブコードの実演をご覧いただきながら、GitLabとともに成長する方法を具体的にご紹介します。
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GitLab 18.4では、GitLab Duo Model SelectionとGitLab Duo Agent Platform(GitLab Duo Self-Hosted)が追加されました
Patrick Riceさんは、コントリビューター、メンテナー、メンターとして、GitLabオープンソースコミュニティへの卓越したコントリビュートを継続されています。過去1年間でトップ5のコントリビューターとなったPatrickさんは、GitLab Terraform ProviderおよびClient-goプロジェクトのメンテナンスを担当し、機能追加、リリース管理、イシューのトリアージ、コミュニティのオンボーディングに取り組まれています。コントリビューターからプロジェクトメンテナーへと成長を遂げられ、「誰もがコントリビュートできる」というGitLabのミッションを体現しています。
Patrickさんの活動はコードのコントリビュートにとどまらず、コミュニティ構築とコーチングにまで及び、新しいコントリビューターの参加と成長をサポートしています。以前には、17.11の注目コントリビューター賞を受賞したHeidi Berry氏をノミネート、支援しました。また、GitLab for Educationチームと知見を共有し、学生にGitLabを学習してもらうことで次世代のデベロッパー育成にもコントリビュートしています。
「Terraform ProviderとClient-goプロジェクトでの協力に、新しいコントリビューターの方々にぜひ参加してもらいたいと思います。私たちのコミュニティには、もっと多くの仲間が必要です。」とPatrickさんは言います。
Patrickさんを今回の賞にノミネートしたLee Tickett(GitLab Staff Fullstack Engineer)はPatricさんついて「PatrickさんはGitLabチームとお客様を継続的に支援し続けています。」と述べています。Timo Furrer(GitLab Senior Backend Engineer)もノミネートを支援し、「Terraform ProviderとClient-goへの日々のコントリビュートに加え、GitLab Terraform Providerの可能性を実演することで、IaCジャーニーにおけるGitLabのお客様を直接支援しています」と付け加えました。
PatrickさんはKinglandのエンタープライズアーキテクトで、GitLab Community Core Teamのメンバーでもあります。今回が2回目の注目コントリビューター賞受賞で、初回は2023年1月のGitLab 15.8でした。
継続的なコントリビュートとGitLabのお客様へのサポート、そしてオープンソースコミュニティの成長へのご尽力に対し、Patrickさんに深く感謝いたします!
GitLab.com: Premium、Ultimate、Duo Core、Duo Pro、Duo Enterprise
Self-Managed: Premium、Ultimate、Duo Core、Duo Pro、Duo Enterprise
GitLab Dedicated: Ultimate、Duo Core、Duo Pro、Duo Enterprise
GitLab Duo Model Selectionの一般提供を開始しました。開発ワークフローで使用するAIモデルの選択を組織がより細かく管理できるようになります。
GitLab.comのトップレベルグループオーナー、Self-ManagedおよびDedicatedの管理者は、GitLabホスト型AIゲートウェイ経由でアクセスするGitLab Duo機能において、複数のGitLab AIモデルベンダーの中から特定のモデルを選択できるようになりました。
GitLab.com上の複数ネームスペースに参加しているGitLabユーザーは、すべての開発コンテキストでAIモデル設定を統一するため、デフォルトのネームスペースの設定も可能です。GitLab Duo Model Selectionの詳細については、ブログ記事をご覧ください。
GitLab.com: Free、Premium、Ultimate
Self-Managed: Free、Premium、Ultimate
GitLab Dedicated: Ultimate
GitLab Knowledge Graphは、コードベース全体における豊富なコードインテリジェンス機能を提供します。デベロッパーはより多くのコンテキストを基にプロジェクトを理解、操作できるようになり、変更の計画立案、影響分析、GitLab Duoエージェントと連携した開発タスクの効率化が図れます。
GitLab Duo Agent Platformでは、Knowledge Graphを活用してAIエージェントの精度を向上させます。コードベース全体のファイルと定義をマッピングすることで、Knowledge GraphはDuoエージェントがローカルワークスペース全体の構造を理解するための拡張コンテキストを提供し、複雑な質問に対してより迅速で正確な回答を返します。
この機能はベータ版です。イシュー160でフィードバックをお寄せください。
GitLab.com: Premium、Ultimate、Duo Core、Duo Pro、Duo Enterprise
GitLab Duoでエンドユーザーがモデルを選択できる機能が、GitLab.comでパブリックベータ版として提供開始されました。ユーザーはGitLab UIから直接GitLab Duo Agentic Chatで使用したいモデルを選択できるようになり、ニーズに合わせたAIサポートを受けられます。
GitLab.comのネームスペースオーナーが許可している場合、エンドユーザーはGitLab Duo Agentic Chatで利用できるGitLab AIベンダーのモデルから選択できます。ネームスペースオーナーは、これまで通りネームスペース設定で組織全体のモデルを指定することも、エンドユーザーによるモデル選択を許可することもできます。
利用を開始するには、GitLab Duo Agentic Chatでモデルのドロップダウンメニューから、希望するモデルを選択してください。なお、モデルを変更すると新しい会話が開始され、選択した設定は今後のセッションでも保存されます。
GitLab.com: Free、Premium、Ultimate
Self-Managed: Free、Premium、Ultimate
GitLab Dedicated: Ultimate
プロジェクトで生成されるCI/CDジョブトークンを使用して、プロジェクトリポジトリへのGitプッシュリクエストの認証が行えるようになりました。UIの「ジョブトークンの権限」設定、またはプロジェクトのREST APIエンドポイントのci_push_repository_for_job_token_allowedパラメータで有効化できます。
GitLab.com: Premium、Ultimate、Duo Pro、Duo Enterprise
Self-Managed: Premium、Ultimate、Duo Pro、Duo Enterprise
GitLab Dedicated: Ultimate、Duo Pro、Duo Enterprise
GitLab Duoのコンテキスト除外機能を使うことで、GitLab Duoが参照するコンテキストから除外したいものを指定できます。パスワードファイルや設定ファイルなどの機密情報を保護したい場合に便利です。特定のファイル、ディレクトリ、ファイル形式、またはこれらを組み合わせた除外設定が可能です。
この機能は現在ベータ版です。イシュー566244でGitLab Duoのコンテキスト除外機能についてフィードバックをお寄せください。
GitLab Dedicated: Ultimate
GitLab DedicatedがすべてのAWSリージョンでのデプロイに対応し、プライマリ、セカンダリ、バックアップのデプロイ先として、より多くのリージョンから選択できるようになりました。
この対応拡大は、GitLab Dedicatedの高可用性とディザスターリカバリー基準を満たすio2ディスクがAWSの全リージョンで利用可能になったことで実現しました。
新しく対応したリージョンは、スイッチボードでGitLab Dedicatedインスタンスをプロビジョニングする際に選択できます。
GitLab.com: Free、Premium、Ultimate
Self-Managed: Free、Premium、Ultimate
GitLab Dedicated: Ultimate
これまで、パイプラインエディターの「検証」タブで変更内容を検証する際、デフォルトブランチでのシミュレーション実行のみに限定されていました。このリリースで機能を拡張し、任意のブランチを指定してパイプラインシミュレーションを実行できるようになりました。この改善により、パイプラインのテストと検証における柔軟性が大幅に向上し、安定ブランチや機能ブランチなど、さまざまなケースでパイプラインが想定通りに動作するかを確認できます。
>2025年9月24日までに公開予定、英語の原文をご参照ください
GitLabでは、ユーザーに可能な限り最高の環境をお届けできるよう尽力しています。リリースのたびに、バグを修正し、パフォーマンスを改善し、UIを向上させるためにたゆまぬ努力を続けています。GitLabは、100万人を超えるGitLab.comユーザーをはじめ、GitLabのプラットフォームを利用するすべての人にスムーズでシームレスな体験をお届けすることを約束します。
18.4で提供されたすべてのバグ修正、パフォーマンスの強化、UI改善を確認するには、以下のリンクをクリックしてください。
新たに非推奨になった機能、および現在非推奨になっているすべての機能の一覧は、GitLabドキュメントで確認できます。今後の破壊的な変更について通知を受け取るには、破壊的な変更のRSSフィードにサブスクライブしてください。
削除されたすべての機能の一覧は、GitLabドキュメントで確認できます。今後の破壊的な変更について通知を受け取るには、破壊的な変更のRSSフィードにサブスクライブしてください。
変更内容をすべて表示するには、次のページから変更履歴を確認してください。
GitLabを新規にインストールする場合は、GitLabのダウンロードページをご覧ください。
更新ページをご覧ください。
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監修:ソリス ジェレズ / Jerez Solis @jerezs (GitLab合同会社 ソリューションアーキテクト本部 ソリューションアーキテクト)