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CI/CDパイプラインとは?


パイプラインは継続的インテグレーションとデリバリー(CI/CD)の基本です。CI/CDパイプラインの仕組みと、コードテストとビルドの自動化について学びましょう。

CI/CDパイプラインの概要

何十年もの間、開発者はコーディングの困難で反復的な要素を自動化することで、イノベーションに集中し、燃え尽き症候群を回避する方法を模索してきました。新しいコードの統合や手作業によるテストに関連する、一般的な問題を解決する完璧なソリューションとして、CI/CDが登場したのです。

継続的インテグレーション、継続的デリバリー、継続的デプロイにより、別々のチームの作業を1つのまとまった製品にまとめるプロセスが合理化されます。CI/CDは、作業を保存する単一のリポジトリを提供し、一貫して統合と継続的テストを自動化します。しかし、CI/CDパイプラインとは何であり、どのように機能するのでしょうか?このページでは、その答えと、エンジニアや企業にとってのCI/CDパイプラインのメリットについてご紹介します。

CI/CDパイプラインの定義

CI/CDパイプラインとは、ソフトウエアデリバリープロセスを合理化する一連のステップです。DevOpsまたはサイトリライアビリティエンジニアリングアプローチを介して、CI/CDはモニタリングと自動化を使用してアプリ開発を改善します。これは、一般的に実行が困難で時間がかかり、スタブやドライバーの作成が必要な統合と継続的テストに関して特に有用です。

自動化されたパイプラインは、手作業によるエラーを防止し、製品の迅速な反復を可能にし、開発プロセス中に一貫したフィードバックを提供するのに役立ちます。CI/CDパイプラインの各ステップは、パイプラインステージにグループ化されたタスクのサブセットです。これについては、この記事で詳しく説明したいと思います。

継続的インテグレーションと継続的デリバリー、継続的デプロイの違い

CIとCDは、一般的な最新の開発手法とDevOpsのベストプラクティスです。CIは継続的インテグレーションを意味しますが、CDには継続的デリバリーと継続的デプロイの2つの意味があります。

継続的インテグレーション

現代のペースの速いテクノロジーの世界では、開発チームはアプリのさまざまな要素で同時に作業できる環境が必要です。エンジニアが変更をmainブランチに統合するためにマージの日まで待たなければいけない場合、その作業は時間がかかり、労力がかかり、率直に言って気が遠くなるようなものになります。全員が個別に変更を行うことになるため、他のチームメンバーとの競合が発生する可能性も出てきます。

CIを実行する場合、できるだけ頻繁に変更を中央リポジトリに継続的にマージすることになります。変更は自動ビルドによって検証され、単体テストとインテグレーションテストによって、変更がアプリケーションを破損していないことが確認されます。テストによって新しいコードと既存のコードとの間に競合が発見された場合、CIによってバグの修正をより速く、より頻繁に行えるようになります。

要件

  • 改善、新機能、バグ修正の自動テスト
  • できるだけ頻繁に、理想的には1日1回変更をマージすること
  • リポジトリを監視し、新しいコミットのテストを実行するための継続的インテグレーション用サーバー

メリット

  • 自動テストによりリグレッションを早期に発見できるため、本番環境まで残るバグが少なくなる
  • 統合に関する問題がすぐに解決されるので、リリースのビルドが楽になる
  • バグによりビルドが中断されるとすぐにアラートが表示されるため、デベロッパーが頭の切り替えをあまり行わずに済む
  • CIサーバーが数百件のテストを数秒で実行するため、テスト費用が削減される

継続的インテグレーション

CDの最初の定義である継続的デリバリーは、CIの原則に基づき、インフラストラクチャのプロビジョニングと、テスト環境および本番環境へのアプリケーションのデプロイを自動化します。

継続的なデリバリーのパイプラインでは、コードの変更が自動的にビルドされ、テストされ、いつでもどの環境にもデプロイできるようにパッケージ化されます。手動でのデプロイのトリガーに使用することも、継続的デプロイまで行うよう拡張して、顧客やエンドユーザーへのデプロイも自動化することもできます。

要件

  • すべてのコードと構成ファイルのバージョン管理
  • ソフトウェアの新しいバージョンをテストするためのstaging環境
  • 自動化された信頼性の高いデプロイプロセス

メリット

  • 顧客への新機能とアップデートを迅速に提供
  • ソフトウェアリリースの信頼性と品質を向上
  • 必要に応じてコードの変更を簡単にロールバック
  • デプロイプロセスにおける人為的エラーのリスクを低減
  • 開発チームとオペレーションチーム間のコラボレーションを強化

継続的デプロイ

CDの2つ目の定義であり、かつCI/CDパイプラインの最終ステージは継続的デプロイです。事前定義されたテストが正常に完了すると、コードの変更が自動的にエンドユーザーにリリースされます。なお、本番環境の前には手作業による障壁が存在しないため、厳密なテストの自動化が不可欠です。

デベロッパーにとって、これはクラウドアプリケーションへの変更が一瞬で本番環境に反映され、エンドユーザーのフィードバックを受けてそれに対応することが容易になることを意味します。CI/CDパイプラインのアプローチを取ることで、デプロイに関連するリスクの多くを回避できます。これは、一度にすべてをリリースするのとは対照的に、少しずつ変更をリリースするほうが簡単なためです。

要件

  • 高品質の一連のテスト
  • 本番環境と同じペースで作成できる文書
  • 機能フラグ(他の部門と効果的に連携を取るために、絶対に外せない条件)

メリット

  • 新しいリリースのために開発を一時中断する必要がなく、プロセス全体が効率化される
  • リリースの修正が容易になり、リスクが減る
  • 改善が継続的に行われ、品質の向上が顧客に明らかになる

CI/CDパイプラインのステージ

CI/CDパイプラインというと作業が増えるように感じるかもしれませんが、実際はまったくその逆です。新しい製品をより早く、問題の数を減らしつつ提供するためのプロセスにすぎません。パイプラインを自動化しなければ、同じ手順を手動で実行することになるため、作業が遅くなり、効率が低下します。DevOps CI/CDパイプラインの各ステージは以下のとおりです。いずれかのステージで失敗すると、担当エンジニアに警告を発する通知がトリガーされます。製品が問題なくすべてのテストに合格した場合、本番環境へのデプロイが成功するたびに、すべてのチームメンバーに通知が送信されまます。

ソース

通常、パイプラインはソースコードリポジトリによってトリガーされます。コードの変更によってCI/CDパイプラインツールの通知が有効になり、対応するパイプラインが操作されます。ユーザーが開始した、もしくは自動的にスケジュールされたワークフローまたは他のパイプラインの結果も、パイプラインをトリガーする可能性があります。

ビルド

ビルドフェーズでは、エンジニアが開発したコードをリポジトリを介して共有し、製品の実行可能なイテレーションを構築します。一般的には、Dockerを使用してクラウドネイティブソフトウェアをデプロイします。そして、パイプラインのこのステージで必要なDockerコンテナがビルドされます。アプリケーションがこの段階を通過しない場合、構成に根本的な問題があることを示唆しているため、すぐに対処する必要があります。

テスト

テストではコードを検証し、製品がどのように動作するかを確認します。これは、バグがエンドユーザーに届くのを防ぐための重要なセーフティネットです。デベロッパーは自動化したテストを記述する必要があります。テストスイートの範囲が充実しているほど、製品の市場投入が早くなり、再デプロイが必要になる可能性が低くなります。

このステージでの失敗によって、コードを作成していた時点では想定していなかった問題が露呈することになります。このステージの目的は、エンジニアのフロー状態を乱さないように、問題の原因が記憶に新しいうちに、すばやくフィードバックを提供することです。

デプロイ

すべてのコードの実行可能なインスタンスがビルドされ、テストされると、デプロイの準備が整います。スケジュールに沿ってコードをデプロイするようにパイプラインを設定し、選択した顧客グループまたはすべての顧客に製品をロールアウトするかを選択します。さらに、問題が発生した場合にリリースをロールバックするプロセスを自動化することもできます。

そのため、最適な設定を決めた上で、CI/CDパイプラインの一部として自動化できます。

CI/CDパイプラインツール

DevOpsプロセスにCI/CDを導入する際に使用できるCI/CDパイプラインツールは数多くあります。以下はその一例です。

  • GitLab CI/CD
  • AutoDevOps
  • ChatOps
  • Docker
  • Kubernetes
  • OpenID Connect
  • Bitbucket Cloud
  • GitLab Runner
  • SSHキー
  • 機能フラグ
  • ユーザー認証テスト(UAT)

優れたCI/CDパイプラインとは?

どのCI/CDパイプラインも同じように構築されているわけではありません。開発サイクル全体にわたって包括的なフィードバックを提供し、正確で信頼性の高い製品を迅速に開発できるようにすることが目的であるため、正確性、信頼性、スピードが効果的なパイプラインの核となります。その理由を以下にご説明します。

  • スピード:継続的インテグレーションは、即座にフィードバックを得られるよう迅速に実施される必要があります。そうでなければフローが中断され、生産性が低下します
  • 精度:デプロイプロセスを自動化する際は、人為的な干渉を避けるために正確さが求められます
  • 信頼性:パイプラインは、完璧なテストコードと安定した出力により、信頼できるものでなければなりません

CI/CDパイプラインの例

CI/CDパイプライン図の一例は以下のとおりです。

  • ソースコード管理:GitLab上でコードをホストし、アプリケーションを主要なソフトウェアやサービスと統合する- CI/CD:GitLab CI/CDを使ってすべてのコードをコミットし、ビルドし、必要なテストを実行する- ユーザー認証テスト(UAT)へのコードのデプロイ:UATサーバーにコードをデプロイするために、GitLab CI/CDを設定する
  • 本番環境へのデプロイ:CI/CDを繰り返し行って、UATにコードをデプロイする

IT部門のリーダーがCI/CDパイプラインを使用すべき理由

CI/CDパイプラインを採用することで、以下のような明確なメリットが得られます。

  • ビルドとテストプロセスの簡素化
  • コードの品質と一貫性の向上
  • コミュニケーションの効率化
  • ソフトウェアデリバリープロセスの大部分の自動化
  • 迅速なフィードバックの促進
  • 製品の可視性の向上
  • 手作業によるエラーの迅速な修正
  • 人件費の削減
  • 開発ライフサイクルにかかる時間の短縮
  • エンジニアと顧客との間のフィードバックループの高速化を促進
  • テストの自動化によるコストの削減、およびエンドユーザー側で発生する問題の最小化

GitLabへの移行が人気な理由

GitLabは、最も人気のあるDevOpsツールの1つで、これまで以上に登録者数が伸びています。約3,000万人の人々がGitLabを利用していて、その数は伸び続けています。GitLabが選ばれる理由をいくつかご紹介します。

  1. GitLabには実質セットアップが必要ない統合ツールが付随しているため、CI/CDにかけては、他の主要なリポジトリよりも優れていると言えます。
  2. GitLabでは、400分のコンピューティング時間を無料で提供しています。
  3. ボトルネックを回避することで、デプロイを加速できる分析ツールを無料で提供しています。
  4. GitLabはオープンソースであるため、プライベートサーバーにプラットフォームをインストールできます。
  5. イシュー追跡機能は広範で充実しており、効果的なコミュニケーションを促進します。
  6. GitLabはコードのエクスポートとインポートを行うのに最適なツールです。包括的なドキュメントによりプロセスを詳しく確認できるため、将来的にも使い続けられるビルドを開発できます。

CI/CDパイプラインの活用によりDevOpsチームが得られるメリット

継続的インテグレーションパイプラインは、すべてのコード変更が確実に同じプロセスで行われるようにすることで、コード品質を向上させます。コードの変更は、同じ共有コードリポジトリにコミットされている他の変更と照らし合わせて検証されます。テストとビルドを自動化することで、人為的エラーの可能性が減るため、イテレーションがスピードアップし、コードの品質が向上します。

まとめ

本格的なCI/CDパイプラインを確立し、特に継続的なデプロイパイプラインを組み込むことで、ソフトウェア開発プロジェクトの効率性と信頼性が大幅に向上します。このタイプのパイプラインは、ブランチへの各コミットからデプロイまでのジョブの実行を自動化することで、すべての変更が徹底的にテストされ、統合されるようにします。このような自動化により、CI/CDツールの強力な機能を活用して、コードリポジトリ全体のプロセスを効率化できます。

これにより、開発サイクルのスピードアップだけでなく、高いコード品質基準を維持できるため、各コミットがプロジェクトの成果にプラスに寄与することが保証されます。

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