更新日:2026年7月22日
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1,500人を超える開発者がGitLab Orbitを使ってAIエージェントやツールを構築しました。受賞プロジェクトと、ライブコードグラフが一度のクエリで答える問いをご紹介します。

数千人の開発者にGitLab Orbitを渡し、あとは自由に使ってもらいました。返ってきたのは、本番環境でチームの手を止めている課題に対する、驚くほど創造的な解決策の数々です。しかもそれらは、皆さんが毎週のように直面している問題そのものでした。この変更で何が壊れるのか。本当に重要なテストはどれか。そして、この移行には結局いくらかかるのか。
GitLab Orbitは、コード、マージリクエスト、パイプライン、デプロイメント、所有権をひとつのグラフとして常に最新の状態で保持し、いつでもクエリできるようにする仕組みです。エージェントはコードを書くのは得意ですが、その周りのシステムを理解するのはあまり得意ではありません。「これは何に依存しているのか」「どのテストがカバーしているのか」「影響の責任を負うのは誰なのか」——こうしたつながりを問う質問に答えるには、これまでエージェントがファイルをかき集めるか、エンジニアが4つものツールを行き来して調べるしかありませんでした。Orbitがあれば、それが一度のクエリで済みます。エージェントはModel Context Protocol(MCP)経由でOrbitにアクセスし、エンジニアは直接クエリを実行でき、答えは数時間ではなく数秒で返ってきます。詳しくはOrbitのホームページをご覧ください。私たちが見たかったのは、そのグラフが自分たちのものになったとき、人々が何を作り出すかということでした。
登録者数は1,576人。ショーケーストラックでは、GitLab Orbit上に作られたエージェントやフロー、スキルなど、応募資格を満たす265のプロジェクトが完成しました。それとは別に、26名のコントリビューターがOrbitのコードベースに61件の改善を直接マージしています。言語サポートの追加、バグ修正、ドキュメントの改善——コミュニティはOrbitの上に何かを作っただけでなく、Orbitそのものをより良くしてくれました。
審査に入る前、ひとつ気づいたことがあります。応募作品を「実際に何をするか」で並べ替えると、分布が大きく偏るということです。
70チームが同じ発想のツール、つまり「マージする前に、この変更が何を壊すか教えてほしい」を形にしています。30を超えるチームが取り組んだのは、オンボーディングや理解を助けるツール——「このコードベースを理解する手助けをしてほしい」という課題です。その後に続くのが、インシデントの根本原因分析、アーキテクチャのドリフト、不安定なパイプラインの診断、複数リポジトリにまたがるCVEの追跡でした。
これは偶然ではありません。エンジニアはこうした問いを日常的に投げかけながらも、答えがGit、CI、デプロイツール、そして誰も信頼していないダッシュボードのあちこちに散らばっていたせいで、うまく答えられずにいました。ひとつのグラフにまとめてしまえば、人は迷わずそこへ向かうものです。
これは、コンテキストを伴ったオーケストレーションです。単なる自動化ではなく、スピードに制御が組み込まれている。そして、誰に指示されたわけでもないのに何十もの独立したチームが同じクエリにたどり着く——これこそ、プラットフォームのオーナーが読み取るべきシグナルです。仕事の実体は、コンテキストの中にあるということです。応募が集中したカテゴリーほど、基準は高くなりました。他の68チームを上回るか、誰も足を踏み入れなかった領域に進むか。プロジェクトが際立つ道は、そのどちらかでした。
優勝:Sankofa 1日のなかの異なる瞬間をきっかけに動く3つのエージェントが、いずれもGitLab Orbitからデータを読み取ります。マージリクエストを開けば、Radarが影響範囲——下流の呼び出し元、影響を受けるパイプライン、責任を負うチーム——を提示します。issueがアサインされれば、着手する前にGuideが概要をまとめてくれる。脆弱性が見つかれば、Shieldがそこに至るすべての経路を洗い出します。コンテキストはこちらから探しに行かなくても届き、役目を終えれば静かに姿を消します。
「セキュリティの脆弱性が報告されると、自動的に点と点をつなぐ仕組みがないため、チームはその影響範囲を手作業で追跡するのに何日も費やすことになります」
Lester K氏、Sankofa
Shieldは、それをグラフ上のたった一度の走査でやってのけます。
準優勝:Stayed Shipped
問いかけるのは、どのダッシュボードにも答えられないことです。先月AIエージェントがマージした変更のうち、今も本番環境で生きているのはいくつあるか。マージされた変更が生き残っているのか、それともシニアエンジニアの手で静かに直され続けているのか——これは、どんな標準的な指標にも表れない動きを追跡する試みです。
優勝:Carver
Carverは、着手を決める前にレガシー移行の見積もりを出してくれるツールです。何を移行したいかを伝えるだけで、GitLab Orbitの依存関係グラフを読み取り、対象の単位数、所要期間、進める順序、リスクの所在まで見積もってくれます。このカテゴリーで評価を集めたのは、その出力の見せ方でした。単位ごとに1行、規模とリスクを添えて提示し、詳細は必要なときだけ展開する。AngularJSからAngularへの移行なら、生成コスト10ドルに対しておよそ9週間の人的作業と見積もられ、テストされていない基幹サービスは赤で示されるので、まず何を確認すべきかが一目でわかります。
「Orbitを確認し、そのサービスが見つからない場合は、実際のコードがどこにあるかを尋ねます」
Anes Mulalic氏、Carver
根拠のない数字を並べることを、このエージェントは拒むのです。
準優勝:Marshal
同じ領域を、まったく逆のアプローチで攻めます。目指すのは完全な自律性。組織全体の目標をひとつ宣言すれば、あとはGitLab Orbitを通じて影響を受けるすべてのリポジトリを特定し、作業の順序を組み立て、対象を取りこぼすことなく波状にマージリクエストを着地させていきます。
優勝:CrossCut
CrossCutが実行するのは、変更が実際に壊しうるテストだけです。マージリクエストを開けば、変更されたシンボルを取得し、GitLab Orbitのコールグラフをたどって真の推移的影響を割り出し、そのテストだけを走らせるパイプラインを組み立てます。モデルは介在しません。推測もしません。ただグラフをたどるだけです。規模の大きいスイートやリポジトリ横断のスイートなら、CIの処理量を90%以上削減でき、導入コストはほぼ即座に回収できます。
「変更がどのテストに到達しうるかを知るには、コードベース全体のコールグラフが必要です。それはまさにGitLab Orbitが構築しているものなので、私たちは推測する代わりに、グラフに尋ねるだけです」
Pritesh Kumar氏、CrossCut
準優勝:OrbitWeaver
ベクトル類似度ではなく、GitLab Orbitが示す正確な影響範囲をもとに自律的なリファクタリングを行います。影響を受けるすべてのファイルをマッピングし、依存関係の順序に沿って編集していく。一歩間違えればパイプラインが赤くなる場面で、本物のグラフが曖昧な検索に勝る理由を、これほど明快に示す例はありません。
優勝:Transcend
多くのチームがGitLab Orbitに直接クエリを投げており、たいていの問いに対してはそれで十分です。Transcendが作ったのは、その上にもう一段重ねた推論エンジンでした。セマンティックウェブのスタック——OWL、SPARQL、RDF——を使い、ネイティブAPIが一度の呼び出しでは表現しきれない問いに届かせる仕組みです。推移閉包。コードベースの外へ出て、世界の構造化された知識を引き込むジョイン。デモでは、あるコードベースがどの知識グラフ埋め込み手法を実装しているかを尋ねると、クラス名だけでなく、その着想元となった論文、著者、発表年までが、コードとライブにつながった形で返ってきます。Orbitを「呼び出すAPI」ではなく「その上に築く基盤」として扱ったこと——このカテゴリーが評価したのは、まさにその視点の新しさでした。
準優勝:Universal Agent OS
エージェントそのものではなく、それを取り巻くガバナンス層を作りました。まずヒアリングし、コーディングの前に計画を立て、証跡を残し、検証を強制する。エージェントが書くコードの割合が増えるほど、説明責任をどう保つかが本当の課題になっていきます。これは、このリストのほかの項目でもGitLab Orbitのコンテキストが浮かび上がらせている問題そのものです。エージェントは速く動く。それでも、その行動に誰かが責任を持たなければなりません。
コントリビュートラックはショーケーストラックと並行して行われ、決して片手間の取り組みではありませんでした。26名のコントリビューターが、GitLab Orbitのコードベースに61件のマージリクエストを直接マージしています。C++20のconcepts、Goのパッケージ宣言、Kotlinのコルーチン、Rubyのラムダへの言語サポート、オントロジーの修正、CIにおけるSIGPIPEバグの修正、最初のOrbitクエリチュートリアル、そして次の人がmax_depthとmax_hopsの違いでつまずかないためのドキュメント整備——内容は多岐にわたります。19名が賞金を獲得し、26名全員がグッズクレジットを受け取りました。
賞金は最初にマージされた40件のコントリビューションに贈られました。つまりこのリストは、質だけでなくスピードも映し出しています。ここに名前が挙がるのは、誰よりも早く動作する変更のレビューとマージにこぎ着けた人たちです。今回の賞金受賞者の皆さん、おめでとうございます。
achalbajpai, aishahsofea, AlphaTheGoat27, anushkrishnav, bartekp854, bhandari.varun04, ChaitanyaManik17, fa220, fongse, gatlavishweshwarreddy26, gkepas, JonstonChan, koves, MattGaiser, MatthewOscar, nexpectArpit, priyansh3133, Vinayreddy765, zidanesalim。
マージされたコントリビューションの全体は、こちらからご確認いただけます。
あるツールの本質は、使い方を誰かに教わるより前に、人々が実際に何を作るかを見ることで見えてくるものです。
チャットボットを作ったチームは、ひとつもありませんでした。優れた応募作品には、すべて同じ動きが根底にありました。かつては4つのツールを行き来して午後いっぱいかけて調べていた問いを、一度のクエリで答えてしまったのです。
私たちが機能として用意したわけではありません。 グラフに手が届いた瞬間、コミュニティが自らそれを見つけ出したのです。これは、どんなベンチマークよりも雄弁にGitLab Orbitを物語っています。
全応募作品はプロジェクトギャラリーでご覧いただけます。優れたプロジェクトの数々が、8つの枠には到底収まりきりませんでした。
ここまでの優勝プロジェクトはどれも、同じ問いに対するひとつの答えです。断片から推測するのではなく、システム全体のファーストパーティのコンテキストから推論するとき、エージェントには何ができるのか。GitLab Orbitは、コード、作業アイテム、マージリクエスト、パイプライン、デプロイメント、所有権を絶えずひとつのグラフへとマッピングし、エージェントとエンジニアが同じ信頼できる唯一の情報源を参照できるようにします。始めるのに、ハッカソンは必要ありません。ここからは、コミュニティが実証したパターンを、Orbit本来のユースケースに沿って紹介します。
共通しているのは、答えが決してコードだけの中になかったという点です。答えは、コードがパイプライン、デプロイメント、脆弱性、所有権とどうつながっているかの中にあります。GitLab Orbitはそのつながりを常に最新に保つことで、一度のクエリでそれを引き出せるようにしています。GitLab Duo Agent Platform上のエージェントはOrbitをネイティブにクエリし、外部のエージェントはMCPを通じて接続し、エンジニアはData Explorerを通じて同じグラフに直接アクセスできます。ひとつのグラフ、ひとつの信頼できる唯一の情報源が、あらゆるエージェントと、チームのすべてのメンバーのためにあります。
ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。自分でも作ってみたいという方は、GitLab Duo Agent Platform上のGitLab Orbitから始めてみてください。これらのチームが使ったのと同じコンテキストは、すでに皆さんのソフトウェア開発ライフサイクルの中で動いています。このハッカソンは、また開催する予定です。いち早く知りたい方は、contributors.gitlab.comからご登録ください。
すでにGitLab Duo Agent PlatformとGitLab Orbitをお使いの環境をお持ちで、どこまで活用できるか試してみたい方は、Co-Createにお申し込みください。
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