お客様事例 Intuitive Machines社
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Intuitive Machines社がGitLabで歴史的な月面着陸を実現

重要なコラボレーションを実現
パイプラインが品質管理を提供
開発をスピードアップ
業種 科学とテクノロジー
従業員数 400
所在地 テキサス州ヒューストン
ソリューション

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2013年に設立されたIntuitive Machines社はシンクタンクとして始まり、今では太陽系の商業化に必要な宇宙インフラとサービスを提供する宇宙開発企業へと発展しました。

NASAとの契約を結んだ同社は、2024年、宇宙船を50年ぶりに月面着陸させた初の米国のベンチャー企業、そして初の民間企業として歴史にその名を刻みました。2024年のタイム誌で最も影響力のある企業100社に選ばれたIntuitive Machines社は、月探査の最前線に立っています。

「私たちは、5年間で宇宙船をゼロから作り上げました。GitLabを採用していなかったら、それも叶わなかったでしょう。当時のプロジェクトの時間的制約や関わっていた人数を考えれば、宇宙船を飛ばせるようになるなんて到底考えられないことでした」
- James Blakeslee氏, ソフトウェアリード, Intuitive Machines社

2019年にIntuitive Machines社がNASAから月の南極付近への宇宙船の建造、打ち上げ、着陸のための7,700万ドルの契約を獲得したとき、宇宙船との通信、航行、制御、飛行に必要なコードすべての構築のために同社のソフトウェア開発チームに与えられた時間は、わずか5年でした。プロジェクトを成功させるには、断片化され、時間のかかるツールチェーンから移行する必要がありました。1970年代初頭の有名なアポロ計画以降、月面着陸に成功する初の米国のベンチャー企業となるには、安全なソフトウェアをより迅速に作成してデプロイし、締切を守ることのできるエンドツーエンドのDevSecOpsプラットフォームが必要でした。GitLabとIntuitive Machines社は手を取り合い、共に歴史にその名を刻んだのです。

宇宙船の打ち上げ準備でGitLabの導入が加速

2019年、NASAとの契約を勝ち取る可能性に自信を持っていたIntuitive Machines社は、正式な確認を受け取る数か月前にはすでにGitLabを採用し、スタートラインに立つ準備を整えていました。

「宇宙船プロジェクトは、これまでに行われたことのない規模のものでした」と語るのは、Intuitive Machines社のソフトウェアリードであるJames Blakeslee氏。「私たちはまっさらな状態、それこそゼロからすべてを始めたのです。ソフトウェアチームや私たちがやらなければならない仕事を考えると、ソフトウェアのあらゆる課題に対応できるプラットフォームが必要でした。」

当時、40~50人のデベロッパー全員が作業し、可視化され、共有プロジェクトでコラボレーションできる単一のアプリケーションを持つことが重要であり、チームの全員が、プロジェクトのあらゆる部分に関与して必要な作業に貢献できるようにする必要がありました。「どのようなプロジェクトやソフトウェアのプロセスに取り組んでいても、チーム全体で共通して使えるプラットフォームが必要でした」とBlakeslee氏。「GitLabのプラットフォームには、コラボレーションに柔軟性を提供するのに必要なツールがすでに組み込まれていました。私たち全員が、全力を尽くすことができるツールでした。」

宇宙船をゼロから建造するプロジェクト

すでに導入しているレガシーフレームワークの一部を使用することを除けば、同社は「Odysseus」、通称「Odie」と名付けられた宇宙船のソフトウェアを一からすべて構築する必要に迫られていました。これには、地上管制、シミュレーション、ナビゲーションや通信などの機内ニーズ、着陸機能のためのシステム構築が含まれていました。

「宇宙船を飛ばすには、その前に何万回、何十万回ものシミュレーションとテストを行います」とBlakeslee氏。「コントロールセンターのソフトウェアが機能しなければ、宇宙船からのテレメトリは表示されず、通信もできません。その場合、オペレーターは目を失ったも同然です。どれが欠けても、ミッションは成功しません。すべての重要なソフトウェアはGitLabを使用して構築されました。このプラットフォームがなければプロジェクトは実現しなかったでしょう。」

Odysseusは2024年2月15日に打ち上げられました。無人飛行でしたが、電波観測技術、ステレオカメラ、航法ドップラーライダーなどの商業科学ペイロードが運搬されました。打ち上げから7日後に月面着陸を達成、同社はロシア、アメリカ、中国、インド、日本の国家プロジェクトでしか成し得なかった偉業を成功させた一員となったのです。

「私たちは、5年間で宇宙船をゼロから作り上げました。GitLabを採用していなかったら、それも叶わなかったでしょう。当時のプロジェクトの時間的制約や関わっていた人数を考えれば、宇宙船を飛ばせるようになるなんて到底考えられないことでした」とBlakeslee氏。

CIパイプラインを使用し、ソフトウェアの修正をその場で実行

宇宙船の打ち上げが終わっても、DevSecOpsチームの仕事はそこで終わりではありません。

宇宙船の初飛行は実験的なものであり、エンジニアは打ち上げ後に問題を見つけてトリアージする必要があります。Odysseusの場合、「私たちはできる限りのテストを行ってから打ち上げに臨みましたが、それでも予想しないような問題が発生しました」とBlakeslee氏。 「そのため、厳しい時間的制約とプレッシャーの中で船の飛行中にソフトウェアにパッチを適用する必要があり、緊張状態での作業が求められたのです。」

軌道力学と熱的制約により、飛行中と月面着陸後の両方で宇宙船にパッチを送る際には特定の時間制限がありました。レーザー距離計、通信、ナビゲーションの修正などのパッチを素早く作成してデプロイする際には、そのパッチがシステムに不具合をもたらさないことを確認するため、GitLabの継続的インテグレーション(CI)パイプラインが大いに活躍しました。

Blakeslee氏によれば、CIパイプラインを使用することで、チームはソフトウェアを精査し、手動では実行できない速度で品質保証チェックを実行できたそうです。Intuitive Machines社のデベロッパーは、パイプラインで実行される独自のリグレッション、インテグレーション、品質管理、ユーザー認証テストを作成できました。こうしたテストはすべて、変更されたコードに対するインサイトを提供し、パッチが何も壊さないこと、地上ソフトウェアとの互換性があること、そして実際に問題が修正されることを保証するものでした。

「すべての検証はCIパイプラインで行われました」と語るBlakeslee氏は、GitLabでパイプラインの実行時間が20分の1に短縮されたことも付け加えています。「宇宙船には良いパッチを提供しなければなりません。ご想像のとおり、悪いパッチではそれこそゲームオーバーになってしまうかもしれません。 ミッションを確実に成功させるには、厳密な検証が必要となります。それができたのも、GitLabのおかげです。」

こうしたCIパイプラインは、宇宙船が予期せぬ角度で月に着陸した際に、重要な通信上の問題を修正するためのパッチをDevSecOpsチームが作成する場面でも役立ちました。チームは、複数のソフトウェアパッチを迅速に開発し、CIパイプラインを使用して検証し、通信システムを迅速に復元して、最終的に月着陸船を正常に機能させるため、25万マイル先の距離にパッチを送信する必要がありました。

将来の宇宙船と月面地形探査機の計画

宇宙船のシステムに修正プログラムをアップロードすることに成功し、Odysseusはミッションの予定期間である7日間、月面で活動しました。月探査ミッションに成功したIntuitive Machines社は現在、2024年後半の第2の宇宙船の打ち上げを進めています。Odysseusの開発プロセスが非常にうまくいったため、同じ作業環境で開発を続ける予定であるとBlakeslee氏は語っています。

「月探査ミッションの間隔はわずか1年足らずです。すでに構築したものを土台にしなければ、準備は不可能です。次の宇宙船は最初のミッションの進化版となるため、ツールを変更することも、DevSecOpsプラットフォームを一からやり直す予定もありません。すでにうまくいっている環境を維持していきます。」

Intuitive Machines社は、2台の宇宙船以降も月面での作業が継続されることを期待しています。同社は、NASAが月面車(「LTV」)の予備設計とプロトタイプ開発に焦点を当てた1年間にわたる研究を実施するために選定された3社のうちの1社です。LTVは、人間を月に着陸させる「アルテミス」ミッションの一部となる予定です。NASAはLTVの構築に3社のうち1社以上を選択し、その性能と安全性をテストする予定です。LTVは極端な温度下で少なくとも10年間月面で動作し、2人の宇宙飛行士を運ぶほか、ロボットアームを使用することができるものが想定されています。最初のアルテミスミッションは2029年を予定しています。

「NASAがLTV構築に我が社を選択した場合、GitLabを使用してシステムを構築することは間違いありません」と、Blakeslee氏。「現在のDevSecOpsグループを拡大する形になるでしょう。米国にとって50年以上ぶりとなる、月面着陸成功の結果をすでに出しているのですから。ここまで使用してきたエコシステムを引き続き使用する予定です。」

開発の加速にAIを活用

第2の宇宙船が月面に到達したら、同社のDevSecOpsチームは十分な時間をかけてGitLabの使用状況を評価し、GitLab Runnerを活用してチームの規模の拡大とパイプライン上のワークロードの管理を支援するなど、より多くのプラットフォーム機能を追加できるようになります。

Blakeslee氏が使用を楽しみにしているのは、GitLab DuoのAI機能です。

「AI革命は今まさに私たちの目の前にあり、GitLab Duoの採用は自然な進歩の一環と言えるでしょう」と同氏。「コードの提案とコード補完だけでなく、脆弱性とコードに関する質問に答えるなど、様々な面で役に立ってくれることを期待しています。私たちは、スピードだけでなく、開発エクスペリエンス全体を向上させる方法を常に模索しています。」

「AIはまさに、開発を大きく進める特効薬のような存在です」、と同氏は付け加えます。「競争力を維持するには、最新の機能を常に意識する必要があります。だからこそ、GitLab Duoに注目しているのです。」

月面着陸を成功するのに不可欠な存在となったGitLab

1972年のアポロ計画から、Intuitive Machines社がOdysseusの月面着陸を成功させるまでには、52年間の空白期間がありました。 米国初となる民間企業による月面着陸の成功は歴史的な偉業となり、Intuitive Machines社は宇宙開発業界でその存在を大きく印象付けました。

「私たちの努力はすべて月面着陸を成功させるというミッションに集約されており、ミスの余地はほとんどありませんでした」とBlakeslee氏。「優れたソフトウェアの品質管理と自動化機能がなければ、プロジェクトを実現することはできなかったでしょう。もし他の開発ツールを選択していたとしたら、ソフトウェアの遅延や破損が発生し、飛行までにたどり着くこともできなかったかもしれません」

「GitLabがあったからこそ、5年間で宇宙船を作ることができたのです。歴史に名を刻むプロジェクトに貢献してくれました。我が社のビジネスの成功に欠かせない存在です」

ケーススタディに記載されている情報や関係者はすべて、発表時点のものです。

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