グローバルなフィンテック企業Airwallex社が、GitLabによって顧客のニーズにより迅速に対応
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グローバルな金融プラットフォームを提供するAirwallex社は、GitLabのAIを活用したエンドツーエンドのDevSecOpsプラットフォームを利用して、事業を拡大し、顧客の要望に迅速に応えて、競合他社より優位に立っています。
Airwallex社は、決済から財務、支出管理、組み込み型金融に至るまで、すべてを管理する信頼できるソリューションを提供する、現代企業のためのグローバルな大手金融プラットフォームです。メルボルンで設立されたAirwallex社は、世界で10万社以上の企業をサポートしており、BrexやRippling、Navan、Qantas、SHEINなどのブランドから信頼されています。
競合他社に打ち勝って新規顧客を獲得
Airwallex社が運営する金融プラットフォームは、すでにグローバルな経済インフラとなっており、多通貨のビジネス口座、現地・国際送金、外貨両替を提供しています。顧客基盤の構築は、設立からまだ間もない企業にとって非常に重要です。そのため、2022年に大手航空会社を注目の顧客として迎えるチャンスを得た幹部たちは、その案件を獲得できるよう、航空会社のニーズに応えられることを証明するというプレッシャーにさらされました。そのためには、競合他社よりも優れた一連のソフトウェア機能を迅速に提供する必要がありました。同社は、GitLab DevSecOpsプラットフォームの力を借りることで、まさにそれを実現したのです。大手航空会社は、今ではAirwallex社の顧客となりました。
「実際のところ、その案件を獲得するにあたり、お客様が求める機能を提供できるよう、相当な量のサービスを構築する必要がありました」と、同社のテクノロジー主任スタッフであるAndy Chow氏は述べています。「要件が多かったため、多くの作業はもちろん、多数の新機能を構築する必要がありました。DevSecOpsプラットフォームにより、当社のソフトウェア開発チームはコラボレーションを行い、すばやく反復してすべてを完了できるようになりました」
Airwallex社とのパートナーシップの一環として、顧客やパートナーの忠実度を高める同航空会社のデータ駆動型事業部門は、GitLabと協力し、国際的なビジネス決済の費用対効果を高め、シンプルかつ有益なものになるようにグローバル決済プラットフォームを設計し、立ち上げました。立ち上げ当初は、35万社以上の中小企業にサービスを提供していました。
「GitLabのおかげで、厳しい期限がある中でお客様に当社の力を証明できました。これは極めて重要でした」とChow氏は述べています。
Google CloudとGitLabとの提携
設立からまだ日の浅いAirwallex社は、ユーザー基盤を拡大し、市場での地位をさらに強めることを目指していました。その実現に向け、24時間体制のビジネスをサポートするべく、Airwallex社が必要とする高可用性サービスを開発するためにGoogle Cloudとの協力を始めました。フィンテック企業である同社は、Google CloudとGitLab DevSecOpsプラットフォームを使用することで、信頼性が高く安全なITインフラストラクチャ、そして確立された国際ネットワークの構築・実行に必要なツールを入手できました。
たとえば、GitLabのCI/CDパイプラインがGoogleのグローバルクラウドプラットフォームに統合されて実行されるため、Airwallexは国際送金などのさまざまなサービスをシームレスにサポートできます。また、Google Kubernetes Engine上でGitLabを実行することで、スケーラビリティと信頼性が実現されました。
「当社の挑戦の支えとなるプラットフォームを見つける必要がありました。GitLabとGoogle Cloudはそのために最適な組み合わせでした」とChow氏は言います。「これら2つのプラットフォームとのパートナーシップのおかげで、拡張性があり、パフォーマンスを向上させ、シームレスなユーザー体験を実現する決済インフラを開発することができました。コラボレーションは継続中であり、革新的なソリューション、セキュリティ、およびユーザーの満足度を引き続き優先しています。このパートナーシップは、当社のビジネスニーズに合致しています」
Google CloudのAPACテクノロジー&ISVパートナーシップのディレクターであるAmitabh Jacob氏は、Airwallex社を始めとする顧客向けに堅牢なエンドツーエンドのソフトウェアサプライチェーンセキュリティソリューションを提供するため、GitLabとの関係を深めたいとの意気込みを語ってくれました。「今日のペースの速い環境において競合他社より一歩先を行くためには、セキュリティを犠牲にすることなく、ソフトウェアデリバリーを高速化する必要があります」とJacob氏は言います。「GitLabとのコラボレーションにより、Airwallex社に不可欠だったこのニーズを満たすことができたのは非常に喜ばしいことです」
DevSecOpsによって高速化
Airwallex社はエンドツーエンドのDevSecOpsプラットフォームを使用することで、チーム間のコラボレーションがより円滑化され、デリバリーの速度とともにコスト効率も向上できるといったメリットを得られています。
GitLabに組み込まれているテストの自動化機能が、開発とデプロイの高速化の推進力となっています。Airwallex社のエンジニアリングマネージャーであるCathy He氏によると、これらの機能により、開発チームやデプロイチームがひとつのタスクに費やす時間が通常30〜40分短縮できているそうです。何百人ものエンジニアとプロジェクトを対象にこの時間を短縮できるため、膨大な時間を削減できます。
「当社の事業にとって、GitLabの存在は貴重です」とHe氏は言います。「競合他社よりも早くデリバリーできるとお客様に伝えることができれば、当社と契約してもらえる可能性が非常に高くなりますから。市場投入までの時間は営業において非常に重要であり、顧客満足度を高める要因です」
複雑なツールチェーンの管理
2019年にGitLabプラットフォームを導入する前は、Airwallex社にはGitHubやJenkins、Spinnaker、Sonatype、New Relic、Vaultなど、DevOpsツールを含むツールチェーンが多数ありました。冗長なツールチェーンにより、煩雑なワークフローと大量のメンテナンスが発生していました。Chow氏は、複数のツールでアップデートを行われなければならない場合、バージョンアップ対応などの基本的な作業は、反復的で時間がかかり、処理が困難だったと振り返ります。
「一度更新すれば終わりという訳にはいきませんでした」とChow氏は言います。「皆が何度も同じことを繰り返す必要があったからです。ひとつのプラットフォームで作業してアップデートできるのは、理にかなっています」
Airwallex社は、自社のコードリポジトリとCI/CDシステムをGitLabプラットフォームに完全に置き換えようと進めていて、その目標を順調に達成しようとしています。5か月のうちに、ソフトウェア開発チームはGitHubからGitLabへの移行の完了に成功しました。次に、それより長い時間をかけて、JenkinsとSpinnakerの利用を止めることができました。次は、パッケージとアーティファクト管理ツールを手放そうとしています。
Airwallex社にとってツールチェーンの削減は、特に同社が急速に成長している今、コストをより適切に管理できる方法でした。「GitLabの使用はとても理にかなっています。なぜなら、今や当社では単一のプラットフォームで処理できる他のサービスの料金を支払わずに済んでいるからです。業務の一元管理に加えて、コスト削減も同時に実現できています」とChow氏は話します。
分断された環境を改善
ツールチェーンが煩雑化されたAirwallexは、コスト増加や効率性の低下だけでなく、分断された開発環境にも悩んでいました。分断化がコラボレーションの妨げとなり、開発スピードの低下を招いていました。また、リポジトリとテンプレートが複数のツールに散在していたため、見つけるのに苦労し、あるいは忘れられたり、失われたりすることも多々ありました。
「GitLabへの移行前は、さまざまなデータが至るところに散らばっていたため、デベロッパーは必要な情報を見つけるのに苦労していました」とChow氏は言います。「それぞれのデベロッパーが、自分が慣れ親しんだツールを選んでいたため、共同作業が難しくなり、チームの分離を招いていました。そのような分断された環境は、問題を生み出すことになるため、各自の環境をまとめる必要がありました」
これを修正して以来、Airwallex社は次のことを行えるようになりました。
- コラボレーションの改善
- 開発スピードの向上
- リポジトリの特定が容易に
- ソフトウェア開発サイクル全体を通して、チームメンバーと経営陣向けのプロジェクトの可視性の向上
- 複数のツールを習得する必要がなくなったことで、エンジニアやデベロッパーのオンボーディングがより簡単かつ迅速に
AIを活用したビルド
現在Airwallex社は、生成AIの活用によりソフトウェア開発時にコードを提案するGitLab Duoのコード提案など、GitLabのAI機能を活用しようと考えています。コード提案を使用すると、デベロッパーは一度クリックするだけで、コードの行全体を完了させたり、ボイラープレートコードを入力したり、テストを生成したりできます。
「この機能によって、コードの書き方が変わると思います」とChow氏は言います。「しかし、コード提案にとどまらず、GitLabのAIを活用したあらゆるアプローチにも非常に期待しています。当社では、自動化の推進、レビューの強化、より高度な構成、テスト生成、バグ検出、さらには運用タスクのオフロードなどを検討しています。AIによりワークロードを大幅に軽減できると思います」
GitLabプラットフォームを使うことで、Airwallex社は以前は欠けていた機能を利用できるようになりました。同社のDevSecOpsチームはこれらの利点を活かし続けたいと考えています。「GitLabのおかげで、開発速度と品質のバランスをうまく取れています」とChow氏は言います。「デプロイの際の安心感がはるかに高まりました」
ケーススタディに記載されている情報や関係者はすべて、発表時点のものです。