よりコンテキストを意識するようになったGitLab Duoを含むGitLab 17.4をリリース
このたび、開いているタブの内容を使用してよりコンテキストを意識するようになったコード提案、すべてのチェックに合格した場合の自動マージ、Web IDEの拡張機能マーケットプレース、一般提供が開始された高度なSASTなど、さまざまな機能を備えたGitLab 17.4のリリースを発表しました!
これらの機能は、今回のリリースに含まれる140件以上の改善点のほんの一部です。役に立つ最新情報をすべてご紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
GitLab 17.4には、GitLabコミュニティのユーザーから220件以上ものコントリビュートがありました。ありがとうございました!GitLabは誰もがコントリビュートできるプラットフォームであり、今回のリリースはユーザーのみなさまの協力なしには実現しませんでした。
来月のリリースで予定されている内容を先取りするには、17.5リリースのキックオフビデオも視聴できる今後のリリースページをご覧ください。
GitLab Duoでコンテキストの改善を実現したGitLab 17.4がリリースされました。クリックしてSNSで共有しましょう!
今月のMost Valuable Person(MVP)はArchish Thakkarさんが受賞
MVPには、誰でもGitLabコミュニティのコントリビューターを推薦できます。積極的に活動している候補者を応援したり、他の誰かをノミネートしてみませんか。🙌
Archish Thakkarさんは、今年特に活躍しているGitLabのコントリビューターの1人で、46のイシューをクローズし、119ものマージリクエストをマージしてくれました。このようなすばらしい実績により、Archishさんは過去2回のGitLabハッカソンで1位に選ばれました。Archishさんは、Middleware社のソフトウェアエンジニアであり、オープンソースコントリビューターとして積極的に活動しています。
Archishさんを推薦したのは、GitLabにおいてエンジニアリングの生産性を担当するスタッフバックエンドエンジニア、Peter Leitzenです。GitLabのスタッフバックエンドエンジニアであるMax Woolfと、シニアバックエンドエンジニアのJames Nuttも、Archishさんを推薦することに賛同しました。過去2か月間でArchishさんのコントリビュート件数は増加しており、GitLabのコードベースの改善、QoL(クオリティオブライフ)に関する複数の修正へのコントリビュート、技術的負債の削減への取り組みなど、一貫して優れた取り組みを行っています。
この場を借りて、GitLabを共同開発してくださっているArchishさん、そしてGitLabのオープンソースコントリビューターの方々に心から感謝します!
GitLab 17.4でリリースされた主な改善点
開いているタブの内容をもとに、よりコンテキストを意識するようになったGitLab Duoのコード提案
SaaS: Premium、Ultimate、Duo Pro、Duo Enterprise
Self-Managed: Premium、Ultimate、Duo Pro、Duo Enterprise
開いている他のタブの内容を使用し、よりコンテキストを意識したコード提案を提供して、コーディングワークフローを向上させます。 このコード提案の改善により、開いているエディタタブの内容を使用して、より関連性が高く正確なコード提案を提供できるようになりました。
すべてのチェックに合格した場合に自動マージ
SaaS: Free、Premium、Ultimate
Self-Managed: Free、Premium、Ultimate
マージリクエストがマージ可能になるには、多数の必須チェックに合格する必要があります。これらのチェックには、承認、未解決のスレッド、パイプライン、その他満たす必要のある項目が含まれます。コードをマージする担当者にとって、これらのイベントをすべて追跡し、マージリクエストがマージ可能になったかどうかについてどのタイミングで改めて確認すればよいかを判断するのは難しいものです。
GitLabでは本リリースから、マージリクエストのすべてのチェックで自動マージが利用可能になりました。自動マージを使用すると、マージを行えるユーザーなら誰でも、必要なすべてのチェックに合格する前であっても自動マージが行われるようにマージリクエストを設定できます。マージ リクエストのライフサイクルが進み、前回不合格となったチェックに合格すると、自動的にマージリクエストがマージされます。
この改善により、マージリクエストのワークフローを高速化できるようになりました。イシュー438395でこの機能についてのフィードバックをぜひお寄せください。
Web IDEで拡張機能マーケットプレースが利用可能に
SaaS: Free、Premium、Ultimate
Self-Managed: -
GitLab.comのWeb IDEに拡張機能マーケットプレースが登場しました。拡張機能マーケットプレースでは、サードパーティの拡張機能を検索、インストール、管理できるため、開発体験が向上します。拡張機能によってはローカル実行環境が必要となり、Webのみのバージョンと互換性がないものもありますが、何千種類もの拡張機能から選択して、生産性を向上させたり、ワークフローをカスタマイズしたりできます。
デフォルトでは、拡張機能マーケットプレースは無効になっています。利用を開始するには、ユーザー環境設定のインテグレーションセクションで拡張機能マーケットプレースを有効にします。エンタープライズユーザーの場合は、トップレベルグループのオーナーロールを持つユーザーのみが拡張機能マーケットプレースを有効にできます。
ワークスペースでのsudoアクセスをセキュアに管理
SaaS: Premium、Ultimate
Self-Managed: Premium、Ultimate
ワークスペースにおけるsudoアクセスが設定可能になり、開発環境で依存関係を直接インストール、設定、実行することがこれまで以上に簡単になりました。シームレスな開発環境を実現するために、次の3つのセキュアな方法が実装されています。
- Sysbox
- Kataコンテナ
- ユーザーネームスペース この機能により、ワークフローやプロジェクトのニーズに合わせて環境を完全にカスタマイズできます。
Kubernetesリソースイベントの一覧表示
SaaS: Free、Premium、Ultimate
Self-Managed: Free、Premium、Ultimate
GitLabでは、ポッドとポッドのログストリームがリアルタイムで表示されます。ただし、これまでUIではリソース固有のイベント情報が表示されていなかったため、Kubernetesのデプロイをデバッグするにはサードパーティ製のツールを使用する必要がありました。今回のリリースでは、Kubernetes用ダッシュボードのリソース詳細ビューに「イベント」を追加しました。
UIに「イベント」を追加するのは今回が初めてです。現在、リソース詳細ビューを開くと、イベント情報が更新されます。リアルタイムのイベントストリーミングの開発については、イシュー470042で追跡できます。
ワイルドカードDNSを使用しないGitLab Pagesの一般提供を開始
SaaS: -
Self-Managed: Free、Premium、Ultimate
これまでGitLab Pagesプロジェクトを作成するには、name.example.io
やname.pages.example.io
といった形式のドメインが必要でした。この要件を満たすには、ワイルドカードDNSレコードとTLS証明書の設定を行う必要がありました。今回のリリースでは、DNSワイルドカードを使用しないGitLab Pagesプロジェクトの作成機能を、ベータ版から一般提供へ移行しました。
ワイルドカード証明書の要件をなくすことで、GitLab Pages関連の管理上のオーバーヘッドが軽減されます。なお、一部のお客様は、組織におけるワイルドカードDNSレコードや証明書に関する制限のため、GitLab Pagesをご利用いただけません。
GitLab Pagesの並行デプロイ(ベータ版)
SaaS: Premium、Ultimate
Self-Managed: Premium、Ultimate
本リリースでは、GitLab Pagesの並行デプロイ(ベータ版)が導入されました。これにより、GitLab Pagesサイトの変更を簡単にプレビューし、並列デプロイを管理できるようになりました。この機能強化により、新しいアイデアの検証をスムーズに行えるため、自信を持ってサイトをテストして改良できます。問題を早期に発見することでGitLab Pagesの基盤が最適な状態となり、その上に構築された公開中のサイトを安定して洗練された状態に維持することができます。
また並列デプロイは、アプリケーションやWebサイトの複数の言語バージョンをデプロイするために、多言語化を行う場合も役立ちます。
GitLab Duo Chatによるイシューディスカッションサマリー生成
SaaS: Ultimate、Duo Enterprise
Self-Managed: Ultimate、Duo Enterprise
長時間繰り広げられてきたイシューのディスカッションの内容を把握するには、かなりの時間がかかります。今回のリリースでは、AIによるイシューディスカッションサマリー生成機能がDuo Chatに統合され、GitLab.com、Self-Managed、およびDedicatedをご利用のお客様を対象に一般公開されました。
高度なSASTの一般提供を開始
SaaS: Ultimate
Self-Managed: Ultimate
GitLab Ultimateプランをご利用のすべてのお客様を対象に、高度な静的アプリケーションセキュリティテスト(SAST)スキャナーの一般提供を開始しました。
高度なSASTは、今年初めにOxeyeから得た技術を利用して新たに開発されたスキャナーです。独自の検出エンジンとともに、社内でのセキュリティ研究によって得られたルールを使用して、ファーストパーティコードに潜む悪用可能な脆弱性を特定します。これにより、より正確なスキャン結果が得られるため、デベロッパーやセキュリティチームは、誤検出の結果によるノイズを選別する必要がなくなります。
GitLab 17.4には新しいスキャンエンジンに加え、次の機能が含まれます。
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脆弱性がファイルや関数を横断してどのように広がるかを追跡できる新しいコードフロービュー
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これまでのGitLab SASTスキャナーからの既存の結果を高度なSASTに「引き継げる」ようにする自動移行
詳細については、一般提供の発表に関するブログ記事を参照してください。
CI/CD変数の値をUIで非表示にできるように
SaaS: Free、Premium、Ultimate
Self-Managed: Free、Premium、Ultimate
ときには、プロジェクト設定に保存された変数の値を誰にも見られたくない場合があります。CI/CD変数の作成時に、新しく「マスクして非表示」を選択できるようになりました。このオプションを選択すると、CI/CD設定のUIで変数の値が永久的にマスクされ、作成後は誰にも表示されなくなるため、データが誰かに見られる危険性を低下できます。
GitLab 17.4のその他の改善
Webhookリクエストの冪等キー
SaaS: Free、Premium、Ultimate
Self-Managed: Free、Premium、Ultimate
本リリースから、Webhookリクエストのヘッダーで冪等キーをサポートします。冪等キーは、Webhookの再試行を複数回行っても一貫性が保たれる一意のIDであり、Webhookクライアントが再試行を検出できるようにします。統合においてWebhookの効果の冪等性を保つには、Idempotency-Key
ヘッダーを使用してください。
この場を借りて、コミュニティにコントリビュートしてくれたVanさんに感謝します!
Wikiのサイドバーのサイズが変更可能に
SaaS: Free、Premium、Ultimate
Self-Managed: Free、Premium、Ultimate
Wikiのサイドバーを調整して、長めのページタイトルを表示できるようになりました。これにより、全体的にコンテンツが見つけやすくなりました。Wikiコンテンツが充実するにつれて、階層が複雑になったり表示されるページが膨大になったりしますが、サイドバーのサイズ変更が可能になったことでWikiの運用が効率的になり、管理、閲覧しやすくなりました。
コードインテリジェンス用CI/CDコンポーネント
SaaS: Free、Premium、Ultimate
Self-Managed: Free、Premium、Ultimate
GitLabのコードインテリジェンスは、リポジトリを閲覧する際のコードナビゲーション機能を提供します。コードナビゲーションを開始する際は、CI/CDジョブを設定する必要があるため、複雑になりがちです。正しい出力と成果物を得るには、この作業を行う際にカスタムスクリプトが必要になる場合があります。
GitLabでは本リリースから、簡単に設定を行えるように、公式のコードインテリジェンス用CI/CDコンポーネントをサポートするようになりました。コンポーネントの使い方の手順に従って、このコンポーネントをプロジェクトに追加してください。これにより、GitLabでのコードインテリジェンスの導入が大幅に簡素化されます。
現在、このコンポーネントでは次の言語をサポートしています。
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Goバージョン1.21以降
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TypeScriptまたはJavaScript
このコンポーネントの対応言語の拡大を検討するために、利用可能なSCIP Indexerの評価を今後も続ける予定です。対応言語の追加に興味がある場合は、コードインテリジェンスコンポーネントプロジェクトでマージリクエストを作成してください。
GitLab Runner 17.4
SaaS: Free、Premium、Ultimate
Self-Managed: Free、Premium、Ultimate
本日、GitLab Runner 17.4もリリースされます!GitLab Runnerは、CI/CDジョブを実行し、結果をGitLabインスタンスに送信する、拡張性の高いビルドエージェントです。GitLab Runnerは、GitLabに組み込まれたオープンソースの継続的インテグレーションサービスであるGitLab CI/CDと連携して動作します。
新機能:
バグの修正:
すべての変更の一覧は、GitLab Runnerの変更履歴で確認できます。
保護された環境への非デプロイジョブが手動ジョブにならないように
SaaS: Premium、Ultimate
Self-Managed: Premium、Ultimate
実装上の問題により、保護された環境でaction: prepare
、action: verify
、action: access
ジョブを実行した場合、手動ジョブになります。これらのジョブを実行するには、手動での操作が必要となりますが、追加の承認は必要ありません。
イシュー390025では、これらのジョブが手動ジョブにならないようにするために、実装に修正を加えることを提案しています。この提案が実装された後で現在の挙動が維持されるようにするには、明示的にジョブを手動に設定する必要があります。
現時点では、prevent_blocking_non_deployment_jobs
機能フラグを有効にすることで、新しい実装に移行できます。
破壊的な変更はすべて、environment.action: prepare | verify | access
値の挙動を区別するために提案されています。environment.action: access
キーワードを指定すると、現在の動作に最も近い形で維持されます。
将来的に互換性の問題が発生しないように、これらのキーワードの使用方法を今すぐ見直してください。提案の詳細については、次のイシューを参照してください。
削除されたSASTアナライザーの自動クリーンアップ
SaaS: Ultimate
Self-Managed: Ultimate
GitLab 17.0、16.0、15.4ではGitLab SASTを効率化し、より少ない個別のアナライザーでコードの脆弱性をスキャンできるようにしました。
本リリースでは、GitLab 17.3.1以降のバージョンにアップグレードした後で、データ移行を一度だけ行えば、サポートが終了したアナライザーの検出対象である脆弱性が自動的に修正されるようになりました。これにより、脆弱性レポートがクリーンアップされるため、最新のアナライザーによって検出された脆弱性に集中して対応できます。
データ移行を行うと、確認または却下されていない脆弱性のみが修正されます。Semgrepベースのスキャンに自動的に変換された脆弱性には、影響は生じません。
CycloneDX 1.6のSBOMのインジェストをサポート
SaaS: Ultimate
Self-Managed: Ultimate
GitLab 15.3では、CycloneDX SBOMのインジェストがサポートされました。
この度、GitLab 17.4では、CycloneDXバージョン1.6のSBOMのインジェストを新たにサポートするようになりました。
現時点では、ハードウェア(HBOM)、サービス(SaaSBOM)、AI/MLモデル(AI/ML-BOM)関連のフィールドはサポート対象外です。これらのBOMの関連データを含むSBOMは処理されるものの、データは分析されず、ユーザーにも提示されません。こうした他の種類のBOMのサポートについては、こちらのエピックで追跡されています。
トークンの有効期限設定オプション
SaaS: -
Self-Managed: Free、Premium、Ultimate
個人、プロジェクト、グループ用のアクセストークンに有効期限の設定を必須にするかどうかを、管理者が決められるようになりました。この設定を管理者が無効にした場合、新たに生成されるアクセストークンでは有効期限の設定が不要になります。デフォルトではこの設定は有効になっており、有効期限を設定する際は許可されている最大有効期間よりも短くする必要があります。この設定は、GitLab 16.11以降のバージョンで利用可能です。
パイプライン実行ポリシーで競合するジョブ名のサフィックスをサポート
SaaS: Ultimate
Self-Managed: Ultimate
17.2リリースで追加されたパイプライン実行ポリシーが拡張され、ポリシー作成者はジョブ名が重複した場合に適切に処理されるよう、パイプライン実行ポリシーを設定できるようになりました。パイプライン実行ポリシーのpolicy.yml
で、次のオプションを設定できるようになりました。
-
suffix: on_conflict
:重複が適切に処理されるように、ポリシーのジョブ名を変更するよう、ポリシーを設定します。今後は、これがデフォルトの動作です。 -
suffix: never
:すべてのジョブ名が一意となるように強制し、重複が発生した場合はパイプラインが失敗します。17.2以降のバージョンでは、これがデフォルトの動作でした。
この改善により、パイプライン実行ポリシー内でセキュリティとコンプライアンスのジョブが必ず実行されるようになると同時に、下流工程のデベロッパーに不要な影響を及ぼすことのないように防ぐことができます。
次の機能拡張では、ポリシーエディタ内でこの設定オプションを導入する予定です。
オムニバスの改善
SaaS: -
Self-Managed: Free、Premium、Ultimate
GitLab 17.4を新規インストールすると、デフォルトでPostgreSQL 16が含まれます。
GitLab 17.7では、OpenSSL V3が含まれます。これは、TLS証明書の112ビット以上の暗号化とともに、送信接続用のTLS 1.2以上の最低要件を満たしていない外部統合設定のオムニバスインスタンスに影響を与えます。ご自身のインスタンスが影響を受けるか等の詳細を確認したい場合は、OpenSSLのアップグレードに関するドキュメントを参照してください。
グループAPIでドメインごとにグループアクセスを制限
SaaS: Premium、Ultimate
Self-Managed: Premium、Ultimate
これまでは、ドメイン制限はUIでグループレベルでのみしか追加できませんでした。本リリースでは、グループAPIに追加されたallowed_email_domains_list
属性を使用してドメイン制限を行えるようになりました。
失敗したWebhookリクエストをAPIから再送信可能に
SaaS: Free、Premium、Ultimate
Self-Managed: Free、Premium、Ultimate
GitLabではこれまで、Webhookリクエストの再送信機能をUIでのみ提供していましたが、リクエストが多数失敗した場合、この方法は非効率的でした。
本リリースでは、コミュニティメンバーからのコントリビュートにより、失敗したWebhookリクエストをプログラムによって処理できるように、再送信用のAPIエンドポイントが追加されました。
-
グループのWebhookリクエスト(PremiumおよびUltimateプランのみ)
次の方法で再送信を行えるようになりました。
この場を借りて、コミュニティにコントリビュートしてくれたPhawinさんに感謝します!
JetBrains IDEでOAuthを使用してGitLab Duoを認証
SaaS: Premium、Ultimate
Self-Managed: Premium、Ultimate
JetBrains用GitLab Duoプラグインの開始プロセスが、これまでよりも安全かつ効率的になりました。OAuthを使用して、すばやく安全にサインインできます。パーソナルアクセストークンは不要で、既存のワークフローとシームレスに統合されます。
リンクしたファイルがマージリクエスト内で最初に表示されるように
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Self-Managed: Free、Premium、Ultimate
マージリクエストで特定のファイルへのリンクを共有する目的は、通常はそのファイル内に含まれる内容を見てもらうことです。これまでマージリクエストでは、すべてのファイルが読み込まれてから、参照した特定の位置までスクロールする必要がありました。本リリースから、以下の方法でファイルに直リンクすることで、マージリクエストでの共同作業のスピードを効果的に向上させることができるようになりました。
-
最初に表示したいファイルを見つけます。ファイル名を右クリックして、リンクをコピーします。
-
そのリンクにアクセスすると、選択したファイルがリストの一番上に表示されます。ファイルブラウザでは、ファイル名の横にリンクアイコンが表示されます。
ファイルのリンクに関するフィードバックは、イシュー439582で投稿できます。
テストカバレッジ可視化のためにJaCoCoのサポートを開始(ベータ版)
SaaS: Free、Premium、Ultimate
Self-Managed: Free、Premium、Ultimate
マージリクエスト内で、カバレッジ計測の標準として人気のあるJaCoCoのカバレッジレポートを使用できるようになりました。この機能はベータ版として提供されていますが、JaCoCoのカバレッジレポートをすぐに使用したい方なら誰でもテストできます。フィードバックがございましたら、ぜひフィードバックイシューでお寄せください。
クラスターUIからFluxの調整をトリガー
SaaS: Free、Premium、Ultimate
Self-Managed: Free、Premium、Ultimate
指定した間隔で調整がトリガーされるようにFluxを設定できるものの、状況によってはすぐに調整を行いたいこともあります。これまでのリリースでは、CI/CDパイプラインまたはコマンドラインから調整をトリガーできました。GitLab 17.4では、追加の設定なしでKubernetes用ダッシュボードから調整をトリガーできるようになりました。
調整をトリガーするには、設定済みのダッシュボードに移動し、Fluxのステータスバッジを選択します。
シークレット検出でのAnthropic APIキーのサポート
SaaS: Free、Premium、Ultimate
Self-Managed: Free、Premium、Ultimate
パイプラインとクライアントサイドのシークレット検出の両方で、Anthropic APIキーの検出をサポートしました。
セキュリティポリシーにリンクされているプロジェクトのパイプライン実行YAMLファイルへの読み取りアクセスを許可
SaaS: Ultimate
Self-Managed: Ultimate
GitLab 17.4では、セキュリティポリシーの設定が追加され、リンクされているすべてのプロジェクトのpipeline-execution.yml
ファイルへの読み取りアクセスを許可できるようになりました。この設定を使用すると、パイプラインの実行を行うユーザー、ボット、トークンをプロジェクト全体でグローバルかつより柔軟に指定できます。たとえば、グループやプロジェクトのアクセストークンがセキュリティポリシー構成を読み取り、パイプラインをトリガーできるようになります。引き続き、直接セキュリティポリシープロジェクトのリポジトリやYAMLを参照することはできません。この設定は、パイプラインの作成中にのみ使用できます。
設定を行うには、共有したいセキュリティポリシープロジェクトに移動します。「設定」 > 「一般」 > 「表示レベル、プロジェクトの機能、権限」の順に選択し、「パイプライン実行ポリシー」 までスクロールします。次に、「セキュリティポリシープロジェクトソースとしてリンクされているプロジェクトに対して、このリポジトリへのアクセスを許可する」 を有効にします。
複数のコンプライアンスフレームワークでの検索
SaaS: Premium、Ultimate
Self-Managed: Premium、Ultimate
GitLab 17.3では、プロジェクトに複数のコンプライアンスフレームワークを追加できるようになりました。
本リリースでは、複数のコンプライアンスフレームワークを指定して検索できるようになりました。これにより、複数のコンプライアンスフレームワークが設定されているプロジェクトをより簡単に検索できます。
グループやプロジェクトメンバーのソース列の表示内容を改善
SaaS: Free、Premium、Ultimate
Self-Managed: Free、Premium、Ultimate
グループとプロジェクトのメンバーページでのソース列の表示内容を簡素化しました。ダイレクトメンバーは引き続き、Direct member
として表示されます。継承メンバーの場合、Inherited from
という文字列に続いて、グループ名が表示されるようになりました。グループが招待されたことで追加されたメンバーは、Invited group
という文字列に続いて、グループ名が表示されます。また、本リリースから、グループが招待されて追加されたメンバーがその後に継承された場合、メンバーシップを管理するユーザーに必要な情報として、最後に発生したイベントが表示されるようになりました。
グループまたはプロジェクトAPIを使用して、グループやプロジェクトに招待されたグループを一覧表示
SaaS: Free、Premium、Ultimate
Self-Managed: Free、Premium、Ultimate
グループAPIとプロジェクトAPIに新しいエンドポイントを追加しました。これにより、グループまたはプロジェクトに招待されたグループを取得できるようになりました。この機能は、グループまたはプロジェクトのメンバーページでのみ利用できます。このエンドポイントの追加により、グループやプロジェクトにおけるメンバーシップ管理がより簡単に自動化できるようになります。なお、このエンドポイントには、ユーザーあたり毎分60件のリクエストのレート制限が設定されています。
GitLab Duoシートの割り当てに関する通知メール
SaaS: -
Self-Managed: Premium、Ultimate、Duo Pro
Self-Managedインスタンスのユーザーには、GitLab Duoシートが割り当てられるとメールが届くようになりました。これまでは、ほかのユーザーに教えてもらうか、GitLab UIに新しい機能が表示されるようになったことに気付かない限り、シートが割り当てられたことはわかりませんでした。
管理者はduo_seat_assignment_email_for_sm
という名前の機能フラグを無効にすることで、このメール通知を無効にできます。
バグ修正、パフォーマンスの改善、UIの改善
GitLabでは、ユーザーに可能な限り最高の環境をお届けできるよう尽力しています。リリースのたびに、バグを修正し、パフォーマンスを改善し、UIを向上させるためにたゆまぬ努力を続けています。GitLabは、100万人を超えるGitLab.comユーザーをはじめ、GitLabのプラットフォームを利用するすべての人にスムーズでシームレスな体験を届けることを約束します。
以下のリンクをクリックして、17.4のバグ修正、パフォーマンス向上、UI改善についてすべてご覧ください。
非推奨事項
新たに非推奨になった機能、および現在非推奨になっているすべての機能の一覧は、GitLabドキュメントで確認できます。今後の破壊的な変更について通知を受け取るには、破壊的な変更のRSSフィードをサブスクライブしてください。
- よく利用されるユーザー、プロジェクト、グループAPIのエンドポイントに対するレート制限
- `add_on_purchase` GraphQLフィールドの`add_on_purchases`への置き換え
- セキュアコンテナレジストリの一般利用の非推奨化
- `heroku/builder:22`イメージの非推奨化
削除された機能と破壊的な変更
削除されたすべての機能の一覧は、GitLabのドキュメントで確認できます。今後の破壊的な変更について通知を受け取るには、破壊的な変更のRSSフィードをサブスクライブしてください。
GitLabのアップグレードに関する重要なお知らせ
バックグラウンドでの移行が完了されるようにするには、GitLab 17.4にアップグレードする前に、まずはGitLab 17.3にアップグレードする必要があります。
変更履歴
変更内容をすべて表示するには、以下のページから変更履歴を確認してください。
インストール
GitLabを新規にインストールする場合は、GitLabのダウンロードページをご覧ください。
更新
更新ページを確認してください。
ご不明な点がある場合
ご質問やご意見をお聞かせください。本リリースについてご不明な点がある場合は、GitLabフォーラムにアクセスして質問を投稿してください。
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監修:佐々木 直晴 @naosasaki
(GitLab合同会社 ソリューションアーキテクト本部 シニアソリューションアーキテクト)